ACIO(Advanced Contact Intelligence Organization)のアンダーソン博士についてのメモ : アンダーソン博士のインタビュー(2)
July 4, 2023
ウイングメーカー・シリーズ 第1巻の第2章 【 ACIO(Advanced Contact Intelligence Organization)のアンダーソン博士についてのメモ : アンダーソン博士のインタビュー(2) 】
【 アンダーソン博士の第二回インタビュー : アンによって 】
◎ アン : 今夜のセッションを始める前に、昨夜のテープを聴いて、それを使っていくつかの新しい質問を組み立てたことをお伝えしたいと思います。
自分の質問に関して、自分が行き詰まっていることに気づ来ました。
今夜は、もっと集中力して取り組むつもりです。
ですから、私が再び道から外れた場合は、道を続けるように思い出すよう仰(おっしゃ)って下さい。
いいですか?
★ アンダーソン博士 : もちろん、仰(おっ)しゃる通りにしましょう……進路は分かりませんが……。
◎ アン : そうですね、私はウイングメーカーとそのタイム・カプセルに、もっと集中したいと思います。
★ アンダーソン博士 : それで結構です。
◎ アン : オーケイ、昨夜、貴方はウイングメーカーが貴方を、彼らの連絡役に任命したと言いましたね。
また、フィフティーンはコルテウムの手先である為、彼らが貴方を彼らの連絡役に任命したいとも言いました。
それについて、詳しく教えてもらえますか?
★ アンダーソン博士 : どうやら私は、今回、彼らのスポークスマンに選ばれたようで、彼らの文章、絵画、シンボルの絵の翻訳を手伝うだけでなく、これらのことを一般の人々に知らせる手助けもしました。
言い換えれば、私はウイングメーカーズ達は、自分達のタイム・カプセルの中身がラビリンス・グループの内部の奥深くにある秘密の保管庫に保管されることを望んでいなかったと、私は思います。
フィフティーンに関して言えば、ウイングメーカーは彼がコルテウムに関わり過ぎて、ウイングメーカーのタイム・カプセルを客観的に評価し、どうすれば世間の注目を集めることができるかを決定できないと感じたのだと思います。
フィフティーンは、BST(Blank Slate Technologyの頭字語)の導入を成功させるという直向(ひたむ)きな野心を抱いていることを、覚えておいて下さい。
ウィングメーカーのタイム・カプセルが、この開発を加速、または促進する限り、フィフティーンはウィングメーカーに非常に興味を持つでしょう。
彼らがそうでない限り、彼の目的は恐らくプロジェクトを封印し、ラビリンス・グループの研究課題の後ろに追いやることでしょう。
文化と哲学はフィフティーンにとって重要でしたが、それは個人の向上の範囲に限られていました。
インタラクティブなタイムトラベルの開発に何らかの形で直接関係しない限り、それらはラビリンス・グループの研究課題に居場所を持っていませんでした。
◎ アン : しかし、彼らの言語を解読して翻訳する過程で、貴方の知性は、タイムトラベルのストレスにより適応できるような影響を受けたと言いませんでしたか?
★ アンダーソン博士 : それは、知性の問題ではなかったと思います。
それは、むしろ、多次元の意識、或いは、高次の意識回路を感知する能力の問題だったと思います。
それは、知性の一形態だと思います。
私には、ウイングメーカー達は全体的な感覚認識の発達に特に関心を持っており、彼らが言語をコード化した理由は、これらの高次の感覚を発達させる為であるように思えました。
繰り返しになりますが、インタラクティブにタイムトラベルする能力には7つの感覚と、多次元の視点が必要であると主張します。
それは、人間の通常の意識の三次元の五感のコンテキスト(文脈)では、不可能です。
◎ アン : しかし、それでも……もし、貴方が意識や知性を強化し、それがBSTの展開に不可欠であると考えているなら、何故、フィフティーンは貴方の言うことを聞かないのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 彼は、耳を傾けてくれました。
ただ、彼が私の理論に同意しなかっただけです。
私がウイングメーカーと交流があったと話した瞬間、彼は私の主張を無視したようでした。
◎ アン : 貴方のやり取りのどのような点が、貴方が間違っている、或いは信頼できないと彼に納得させたのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 私は、彼らの言語を読んで理解した最初の人でした。
光ディスクのロックを解除すると、彼らの芸術作品に含まれているものと同様のシンボル画像を、8,100ページ以上印刷しました。
但し、遥かに多様で、場合によっては遥かに複雑です。
テキスト、またはシンボルの絵からなる23の章があり、各章は約350ページで構成されていました。
私は光ディスクへのアクセス・コード用にセットアップした、シュメール語翻訳インデックスのバージョンを使用して、このテキストの最初のセグメント、または章をデコードしました。
ところが、テキストを解読して翻訳し始めると、ウイングメーカーの文化を理解できるようになったのです。
彼らは読むのに興味深い、哲学的な言説を持っていました……。
◎ アン : 貴方が残してくれたものを読みましたが、何を言っているのか、ほとんど理解できませんでした。
それらは、抽象的過ぎるように思えました。
でも、確かに、それらは私に影響を与えました。
私が本を読もうとする度に、彼らはうまいこと私を眠らせてしまいました。
★ アンダーソン博士 : それらが少し強烈であることは承知していますが、これらは今から750年後の人類((少なくとも一部の人類)がどのように信じているかを表しているという理由以外に、非常に興味深いものであることを認めなければなりません。
これらは文字通り、私達が持つ将来の信念体系に関する唯一の記録です。
しかし、私が前に言おうとしていたのは、彼らは哲学を持っていただけでなく、詩や楽譜も持っていたということです。
そこで私は、各部屋には一連のオブジェクト、つまり、絵画、詩、哲学的言説、楽曲、特定のメッセージやテーマを保持する技術的成果物があるのではないかと、理論化し始めました。
そして、タイム・カプセルは、私が光ディスクにアクセスする為に絵画の23のマスターシンボルをリンクしたのと同じように、これらのテーマをリンクすることによって理解できるように設計されました。
◎ アン : 彼らが伝えようとしていたメッセージは、何だったと思いますか?
★ アンダーソン博士 : 分かりません。
私が出発した時、私達は2つの部屋全体の解読を終えただけでした。
そして、出発してから、私は3番目の部屋のほとんども解読することができました。
しかし、其々(其々(それぞれ))の部屋で発見された技術的遺物は、依然として謎のままです。
ほとんどの場合、私達のテクノロジーでそれらを調査して、どこでどのようにアクティブ化するかを決定することさえできません。
◎ アン : しかし、8,100ページのテキストのコピーをお持ちなのでしょう?
★ アンダーソン博士 : はい。
◎ アン : 私は、それを見れますか?
★ アンダーソン博士 : はい、でも、持ち歩くものではありません。
◎ アン : 何故、複雑なエンコードとデコード、そして、シュメール語の翻訳のインデックスが必要なのか、私には未だに理解できません。
念の為言っておきますが、彼らは人間ですよね?
何故、彼らは単純に英語か、少なくともその変形を話さないのでしょうか?
つまり、750年前、人々は、今日、私達が使用しているのとほぼ同じ言語を話していました。
何故、後(あと)750年も経つと、これほど劇的に変化するのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : タイム・カプセルの目的が何らかの形で高次の学習回路や知性を活性化させることだったとしたら、恐らくタイム・カプセルは強制的にデコード(解読)する為に、意図的に暗号化されているのではないかと推測することしかできません。
そして、このデコードのプロセスで、アクティベーションがトリガーされるのです。
もし、彼らがそれを簡単な英語や、当時の他の言語で行っていたら、私達は高次の感覚の活性化を逃してしまうでしょう。
それが、私の仮説です。
◎ アン : 貴方は昨夜、これまでのところテキストの約7%しか翻訳されていないと言いましたが、これは翻訳インデックスを発見してから、数か月かけて取り組んだ結果です。
これほど強力なコンピューティング技術があるのに、何故、ラビリンス・グループはキーストロークだけで、テキスト全体を解読して翻訳できないのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : それは、もっと複雑です。
ウイングメーカーズの言語は、私達独自のアルファベットにある26個ではなく、98個の異なるシンボル画像に基づいています。
コンピュータ・ベースの翻訳インデックスはテキスト全体に適用されましたが、意味論に非常に多くの不一致が見つかり、コンピュータ版に依存することは文字通り不可能になりました。
彼らの言語は私達の言語よりも遥かに正確である為、意味の正確さに対してより敏感です。
意味上の差異がある為、翻訳を手動でクロス・チェックする必要がありました。
つまり、約5単語毎(ごと)に、その単語が配置されている文、及び段落構造の文脈でその意味をテスト、または検証する必要があるということです。
そして、これを効果的に行う唯一の方法は、私と手動翻訳を手伝っていた別の同僚と一緒に行うことでした。
◎ アン : それでもテキストの僅(わず)か7%を完了するのに、非常に長い時間がかかったみたいですね……。
★ アンダーソン博士 : しかし、翻訳の正確性を確保する為に、テキストの各ページについて約20時間に相当する骨の折れるクロス・チェックに費やしました。
翻訳はタイム・カプセルの有用性の鍵であり、意味や翻訳の間違いの為に、翻訳を急いで間違った結論を導き出すのは意味がありません。
私達の翻訳インデックスにはエラーが発生する可能性のある多くの側面があり、各レベルでエラーが検出されない場合、次のレベルで翻訳エラーが悪化、または増幅します。
例えば、文字や記号の絵毎(ごと)にインデックスが書かれており、文字の組み合わせ毎(ごと)にインデックスが1つあり、98文字のアルファベットの場合、様々な組み合わせが想像できます。
また、文構造のインデックスと、意味コンテキストのインデックスもあります。
これらの変数に加えて、言語、またはその順序の直線性を考慮する必要があります。
更に、先に述べたようにテキストは単なる散文に止(とど)まらず、楽譜や詩も含まれていました。
そこで私達は23のテキスト部分の其々(其々(それぞれ))について、散文の全てのニュアンス、更には詩や音楽を識別できる翻訳を必要としました。
◎ アン : 分かりました。
タイム・カプセルの要素が理解できないので、音楽を取り上げてくれて嬉しいです。
★ アンダーソン博士 : どういう意味ですか?
◎ アン : 音楽は既に光ディスクに入っていて、単にディスクから取り込んだだけなのでしょうか、それとも、基本的に楽譜に基づいてラビリンス・グループによって制作されたのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 実際には、それはその2つを少し組み合わせたものでした。
彼らの楽譜は非常に正確で、各楽器、更にはボーカルのデジタル・サンプルも残していました。
そこで私達は、彼らのデジタル・サンプルをMIDI標準に変換し、彼らの音楽の独自バージョンを制作しました。
私達が翻訳した全てのものの中で音楽は最も制作が簡単でしたが、その正確さについては確信が持てないものでもありました。
◎ アン : ということは、音楽の翻訳にも携わったんですか?
★ アンダーソン博士 : はい。
私は彼らの楽譜の最初の発見と、翻訳インデックスの作成を手伝いました。
私はその制作段階には関与していませんでしたが、それがどのような音になるのか非常に興味がありました。
◎ アン : これらの曲を、聞くことができますか?
★ アンダーソン博士 : ええ、もちろんです。
私が去った時、ACIO(Advanced Contact Intelligence Organization)は、23曲中10曲の翻訳に成功していました。
私は、これらを持っています。
それらは、CDとカセットの両方の規格に変換されています。
残りの13曲の完全なファイルも、生の分解された形式で持っています。
◎ アン : 正確には、どのようにして作られたのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : それは技術的な意味ですか、それとも芸術的な意味ですか?
◎ アン : 両方だと思います。
★ アンダーソン博士 : 技術的な面では、私達のコンピュータ・システムで使用する為に、サンプルを384ビットの解像度に下げる必要がありました。
初めて楽器のサンプルを聴いた時、聞き慣れた音が聞こえて少し安心しました。
いくつかの異なる点もありましたが、ほとんどの場合、光ディスクにエンコードされたデジタル・サンプルは、世界中で聞かれている現代の楽器と同じでした。
彼らのサンプルをキャプチャーしてオクターブに整理したら、作曲表記を取得し、基本的にサンプルに基づいてコンピューターにデジタル楽器を選択させました。
最終的には、これら全てを24ビットの商用CDマスタリング・システムに段階的に落とし込み、CDにプレスしてカセットテープに録音する必要がありました。
芸術的な制作に関しては、実際に私達がやったことはあまりありませんでした。
コンピューターは全ての解釈作業を実行し、実質的には生産も実行しました。
私達はスタッフの何人かに、様々なバージョンでオーバーダブを実行してもらい、構成を実験しました。
この音楽は、特に384ビットのサンプリング解像度で聴いた時に、非常に人気がありました。
◎ アン : 何故、タイム・カプセルには音楽の録音だけではなく音楽制作キットが同梱されていたのか、誰も疑問に思わなかったでしょうか……つまり、何故、私達は彼らの音楽に芸術的な解釈を持ち込む必要があるのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : エンシェント・アロープロジェクトでは、全てが疑問でした。
全てが。
何故、彼らがそのようなやり方をしたのかは分かりませんでしたが、やはり私達の仮説は、ウイングメーカーズには彼らの音楽を私達の世界に持ち込む方法がなかったのは、私達にはそれを聴く為の技術がなかったからではないかということでした。
そこで彼らは自分達の音楽を……貴方の言い方を借りれば……組み立てキットに分解したのです。
これにより音楽を再構築して、私達のテクノロジーで聴くことができるようになりました。
それが、最も論理的な理由です。
私達の中には第1室と第2室を完全に統合された表現形式として体験できた人が何人か居て、控えめに言っても、それは非常に強力な経験でした。
実際に原画が置かれていた部屋に立って、原画と共に384ビット解像度の音楽を聞くと、それはとても感動的でスピリチュアルな体験です。
私がこれまでに経験したものとは、異なります。
◎ アン : どういう方法で?
★ アンダーソン博士 : 自分の体から抜け出して、絵の入り口に引き出される感覚は抗(あらが)い難いものです。
これらの絵画には非常に強い動きの感覚があり、音楽と絵画は芸術形式の2つに過ぎず、3つ目として詩も体験の一部です。
◎ アン : それでは、その詩について教えて下さい。
★ アンダーソン博士 : これらの詩は、幅広い主題を表現しています。
ACIOの私達のほとんどにとって、それらは現代の詩人なら誰でも書いた可能性があります。
私達の750年後の未来の文化を代表するものとして、彼らを際立たせるものは何もありませんでした。
精神性、愛、人間関係、死に関する同じテーマの多くは、彼らの詩にも明らかでした。
テキストがあまり含まれていない為、詩のほとんどは翻訳されています……少なくとも、彼らの哲学論文や科学論文と比べれば。
実際には、各部屋の絵に2つの詩があるので、合計46の詩があります。
◎ アン : それは、興味深いですね。
絵画、音楽、工芸品、哲学など、他の全てのものは部屋毎(ごと)に1つずつ置かれているんですね。
何故、各部屋に1つではなく、2つの詩が置かれていると思いますか?
★ アンダーソン博士 : 私の意見では、特定の議場が代表する特定のテーマについて、より広い視点を提供する為のものでした。
詩は各部屋に、個人的な視点と普遍的な視点の両方を提供するように設計されているように見えます……しかし、繰り返しになりますが、現時点ではそれは単なる作業仮説に過ぎません。
◎ アン : 貴方が私に残した例から、詩も哲学や絵画に比べて抽象度が少し低いと思います。
詩と絵画がどのように関係しているか、考えたことはありますか?
★ アンダーソン博士 : ええ。
私は、詩と絵画が各部屋にある全ての物の中で、最も強い繋がりを持っていると信じています。
絵画は詩の中で表現されているテーマを、微妙な方法で描いていると思います。
場合によっては、絵画が抽象的なオブジェクトの集合体を表している場合、詩もより抽象的になります。
絵がより実例的であると、詩はより散文のように見えます。
◎ アン : では、詩が各部屋の中心的な意味を担っていると言うのですか?
★ アンダーソン博士 : よく分かりませんが、この詩はそれに関連する室内画の中で、何らかの形で象徴的に暗示されているように思えます。
問題はこの詩が非常に高度な解釈を行っている為、そのテーマが何を意図しているのかを正確に知ることができないことです。
また、これは前に述べるべきだったのですが、彼らの言語の文法と構文はピリオドで区切られた言語の終わりがないという点で、私達の言語とは大きく異なります。
言い換えれば、直訳を行った場合、論理構文アプローチに近い文構造は存在しないことになります。
これは、単に抽象化された言語の流れを意味しており、ほとんどの人にとっては理解するのが非常に困難になるでしょう。
詩の翻訳をする時、よりよく理解できるように意味を断片化した文構造に、詩を配置しました。
恐らく、その過程で意図せず意味を変えてしまったかも知れませんが、それが原因か、詩が抽象的過ぎて理解できないかの、どちらかです。
◎ アン : 詩と各部屋の哲学の間に、繋がりはありますか?
★ アンダーソン博士 : 同僚と私は、特定の部屋内の全ての物体が、恐らく私達には理解できない方法で繋がっていると感じました。
私達は、翻訳インデックスが何らかの形で不正確であり、それが様々なオブジェクト間の繋がりを確認する能力を制限しているのではないかと、常に心配していました。
そして、もちろん、最も不可解な関連性はテクノロジーの成果物でした。
何故なら、その目的や機能について調査したり、結論に達したりする方法がなかったからです。
◎ アン : 各部屋で発見された遺物について、少し話しましょう。
私が実際に聞いた唯一のものは、第23室で見つかった光ディスクでした。
他の写真を何枚か見せていただいたのは知っていますが、それらをどのように分析したのか、また、タイム・カプセル全体との関連性についてどのようなアイデアがあるのかについて、もっと詳しく説明していただけますか?
★ アンダーソン博士 : 光ディスクは、我々が発見した23枚のうち、少なくとも私が知っている限りAICOがアクセスに成功した唯一の遺物です。
他の遺物は全て、発見後直ぐにバージニア州にあるラビリンス・グループの研究所に運ばれました。
これらは12xのクリアランスを下回る者には、決して認められませんでした。
タイム・カプセルの中にテクノロジーがあるという噂が広範なACIO内にありましたが、それらは真剣に考慮されることはなく、もちろんNSAによっても考慮されませんでした。
テクノロジー成果物はBSTに対する可能な解決策を示していた為、フィフティーンにとって最大の好奇心でした。
そして、先ほども述べたように、フィフティーンとラビリンス・グループのほとんどのメンバーは、ウイングメーカーがインタラクティブ・タイムトラベル・テクノロジーを、現在、働いている私達に伝えようとしているのです。
ラビリンス・グループの未来を代表しているのではないかと、感じました。
従って、フィフティーンは、これらの特定のアーティファクトがこれまで彼に暗示していたパズルのピースを表す可能性があると、論理的に考えたのです。
◎ アン : しかし、私が見たものは、それほど先進的でもハイテクに基づいているようにも見えませんでした。
それらは、単純なクリスタルや岩石、……または有機的なものとして通用する可能性があります。
何故、ラビリンス・グループは、自分達がタイムトラベルの鍵を握っているとそれほど確信したのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 発見されたクリスタル構造はほとんどの場合、目で検査するとクリスタルのように見えるという意味では極(ごく)普通に見えましたが、様々な分子、及び原子分析を通して見ると、それらが人工物であることは明らかでした。
言い換えれば、それらは合成クリスタル構造であり、光ディスクや絵画と同じように情報がエンコードされているという仮説を立てました。
また、それが最後のアーティファクトであり、キーストーン、またはマスターキーと同等であるように見えた為、それらが光ディスクに接続されている可能性があるという仮説も立てられたのです。
◎ アン : 光ディスクから翻訳されたテキストの中に、他のアーティファクトについて言及したものはありましたか?
★ アンダーソン博士 : いいえ、残念なことに、少なくとも今のところ言及はありませんでした。
◎ アン : テクノロジー遺物と各チェンバーに関連する特定の文化的遺物との間に関連性があると感じたかどうかという私の質問には、貴方は全く答えませんね。
★ アンダーソン博士 : 申し訳ありません、今夜は私が脇道にそれる番のようですね。
とにかく、はい、繋がりがありました……私達はこれを確信していましたが、同時にアーティファクト(遺物)の内部に入って調査することができなかった為、理論を証明することができませんでした。
その結果、光ディスクはアーティファクトの中で最も重要であり、私達のテクノロジーを通じてアクセスできる可能性が最も高いと思われた為、私達は光ディスクに全ての時間とエネルギーを注ぎました。
◎ アン : でも、そう言うと光ディスクにアクセスする方法を見つけるのに、1年以上かかったとも前に言いませんでしたか?
★ アンダーソン博士 : はい、それは本当です。
しかし、テクノロジーの成果物は、私達のテクノロジーとは全く異質なものだったということを心に留めておく必要があります。
光ディスク以外の他のテクノロジーは有機構造に基づく合成材料の組み合わせであり、場合によっては実際にその構造内に人間のDNAを保有している場合もありました。
これらは……。
◎ アン : テクノロジーの一部は、人間によるものだと言いたいのですか?
★ アンダーソン博士 : そうですね……ある意味では。
しかし、私が言いたかったのは、これらのアーティファクトには人間の特定の接触によって作動する分子ベースのコンピューター・システムがあるようだということです。
そして、それが文字通り特定の人間なのか、特定の種類の人間なのか、或いは恐らく特定の感情や精神状態にある人間なのかも分かりませんでした。
テスト用に115件の可能な実験が開発されましたが、全て失敗しました。
その為、最終的に私達は有機ベースのアーティファクトへのアクセスを諦め、光ディスクへのアクセスにエネルギーと技術を集中させました。
◎ アン : しかし、これは本当に奇妙です……何故、人間のDNAがテクノロジーの中にあるのか……そして、この合成クリスタルについての話……少し寒気がするようです。
★ アンダーソン博士 : 光ディスク内のテキストの一部を翻訳できるまで、私達も同様の不安を抱えていました。
第1室と第2室からの哲学的論文は、ウイングメーカーが確かに本物である可能性があり、彼らの話を信じない理由が他にないことを私達に確信させました。
それが私達が全ての不信感や警戒心を止めたという訳ではありませんが、この哲学は現代人類に対する彼らの認識された使命についての、私達の理解への画期的な進歩でした。
◎ アン : 分かりませんが、貴方が私に残してくれた最初の2冊の哲学論文を読みましたが、それらが異星人種から来たものだと信じることができました。
また、彼らは哲学や文化的なものを利用して、実際には全く慈悲がないのに、私達を騙(だま)して、自分達が慈悲深いと信じ込ませる欺瞞(ぎまん)的な種族の出身であると信じることもできます。
つまり、それは貴方が、昨夜、話した予言の一部ではないでしょうか?
★ アンダーソン博士 : そうですね、貴方は常に懐疑的なジャーナリストであり続けているようですね。
その反応を見ることができて、本当に嬉しいです。
アン、私が言えるのは、エンシェント・アローの遺跡内で発見された全ての文化的遺物を考慮に入れ、その内容と哲学に浸(ひた)ってみると、それらが邪悪な意図から生じたものであるとは信じ難いということです。
◎ アン : それがまさに、彼らが貴方に信じて欲しかったことではない限り。
★ アンダーソン博士 : 恐らく。
そのようなことについて議論するのは、難しいでしょう。
ある時点で、それは個人の決定になると思います。
ラビリンス・グループ、そして、私がそう言う時はコルテウムも含めますが、これが本物の情報開示であることに同意し、私達が欺瞞(ぎまん)に対処していないことに確信しています。
しかし、私達は、その可能性への扉を決して閉ざしません。
当社のセキュリティ、及び運用責任者は、詐欺や欺瞞(ぎまん)の可能性を高める証拠が蓄積された場合に備えて、緊急時対応計画を策定しました。
◎ アン : 室内画の写真を見ていて、私にとって奇妙に思えたことの一つは、それらがどれも似通っているということでした。
これらは明らかに、同じ芸術家によって描かれたものでした。
或いは、アーティストのグループだと思います。
しかし、タイム・カプセルというと、様々なアーティストによる様々な視点などを表現した様々なアートが含まれると思いますが、ここではそうではありません。
どうしてだと思いますか?
★ アンダーソン博士 : 彼らの動機は、自分達のアーティストや芸術文化の多様性を私達に知らせることではなかったと思います。
彼らはアートが最初はコミュニケーションの一形態として機能し、その後、タイムトラベルや身体意識の外への移動の一形態として機能することを意図していると思います。
全体として見た23枚の絵画の連続性は、見る者の意識を文字通りウイングメーカーの世界へと誘っているようです。
まるでポータルであるかのように、私自身もこれを経験しました。
絵は、信じられないほど鮮やかな色をしています。
特に洗浄と修復が完了した後、実際に見ると、その衝撃がどれだけのものであるかは本当に想像できません。
しかし、最初に何の修正も加えずに発見された時でさえ、1,150年を経た後のそれらの輝きと鮮やかな色は、不気味でした。
遺物の修復と目録作成に携わる私達は、部屋に座ってこれらの絵画を見つめることが何度もありました。
何度か私は何時間もこの作業を行い、ただ絵の中を眺めながら、画家の心や彼らが伝えようとしていることを想像してみました。
それはとても、とても力強い経験でした……これまでに経験したこととは全く違いました。
◎ アン : それらは、私を少し怖がらせると思います。
★ アンダーソン博士 : そんな経験があったので、私も笑ってしまいます。
ある夜、遺物室での長い一日の作業を終えた後、私は遺跡内に最後の一人として残されました。
私は自分のやっていることに夢中になっていたので、外出時にセキュリティ・システムを作動させるように言われたことを、ほとんど覚えていませんでした。
30分ほど経ち、漸(ようや)くタイム・カプセルの中に自分が一人であることに気づきました……沈黙は、信じられないほどものもでした。
とにかく、23の部屋全てを繋ぐ廊下を歩き、各部屋を通り過ぎると、圧倒的な存在感を感じ始めたのです。
部屋に出会う度に、私はその絵から何かが飛び出て来るのを期待していました。
彼らは文字通り、生きているように見えました。
私達の照明は非常に高品質のポータブル・ハロゲン・システムで、どのチャンバーにも全く同じように装備されていました。
私が廊下、所謂(いわゆる)螺旋(らせん)階段の一番下に着き、第二の部屋を覗いた時、はっきりと動きが見え、危うく飛び降りそうになりました。
必ずしも恐怖からではなく、興奮からだと思います。
恐怖もありましたが。
しかし、この動きは何かが絵から飛び出し、そして、空中に消えて行く、単にぼやけたイメージに過ぎませんでしたは……本当に動きがあったようにした……。
◎ アン : それは、何だったのですか?
人間だったのですか?
★ アンダーソン博士 : それが何であるかを説明できるほど、はっきりと見ることはできませんでしたが、ウイングメーカーと何度か交流をした今では、それが彼らであることが分かりました。
彼らは何らかの形で、これらの絵画を私達の時代に登場させる為に使用していました。
その経験の直後、私は絵画が実際に、タイムトラベルなどを可能にするポータルであると理論化し始めました。
◎ アン : これは奇妙で的外れな質問のように思えるかも知れませんが、これが全てでっち上げではないことが、どうして分かりますか?
誰か、またはどこかのグループが単に貴方の心を弄(もてあそ)ぶ為だけに、エイリアンか未来のタイム・カプセルのように見えるように、この全体を作ったということは?
★ アンダーソン博士 : 私達が確かに知っていることの一つは、これはデマではないということです。
エンシェント・アローの遺跡は、文字通り螺旋(らせん)階段の形で刳(く)り抜かれ田巨大な岩の構造物で構成されており、30メートル毎(ごと)に迂回(うかい)して、別の部屋(正確には23メートル)に分かれています。
構造全体を構築するには、信じられないほどの技術が必要だったでしょう。
私達は部屋の壁画がいつ作成されたかを正確に把握しており、それらは決定的に9世紀に作成されたものであり、当時はこの技術が存在していなかったものと確信しています。
◎ アン : 私は貴方と、議論するつもりはありません……しかし、これらの遺物が本当に私達の750年後の未来のものであるとしたら、それらが人里離れた巨大な岩の中に埋もれているというのは、非常に奇妙に思えます……ニューメキシコ州のどこでも。
そして、彼らがこれだけの作業をしたのに、一体何を言おうとしていたのかを理解するのを非常に困難にしているのも、奇妙に思えます。
私の言いたいことが、分かりますか?
★ アンダーソン博士 : ええ、分かります。
貴方の質問は議論の余地があるとは思いませんが、しかし、私が言いたいのはこのタイム・カプセル、または貴方がそれをどのように呼んでも、実際には実際のオブジェクトのセットであるということです。
そして、これらのオブジェクトは同じ時間枠にさえ対応していません。
例えば、これらの絵画は約1,150年前に作成されたものですが、遺物は炭素年代測定や生化学分析にも反応しません。
問題を複雑にしているのは、エンシェント・アロー遺跡とその周辺で不思議なことに出現し始めた絵文字は、過去50年間に作成されたものであると判明しており、この遺跡が発見された年、または月に作成された可能性が非常に高いことです。
これらの実際の物体は明らかに謎ですが、私の目にはでっち上げではありません。
本当の問題は、ウイングメーカーのアイデンティティが彼らが表現している通りのものであるのか、つまり、人類の未来の側面なのか、それとも西暦850年頃に地球を訪れた異星種族なのかということです。
◎ アン : オーケイ、それはでっち上げではないとしましょう。
それでは、何故、貴方はタイム・カプセルだと、そんなに確信しているのか教えて下さい。
私には、むしろ、通信装置のような気がします……或いは、何らかの教育ツールかも知れません。
何故、タイム・カプセル?
★ アンダーソン博士 : 一つには、その作成者が自分達の文化を私達と共有したいと考えているように見えたからです。
私達が最初にエンシェント・アロー遺跡の分析を始めた時、部屋の中の全てが異質なものであると感じました。
私達は当初、これがETとのコンタクト・サイト(接触場所)であると確信しており、彼らがこれらのアイテムを後日回収する為に残した可能性さえ考えました……。
◎ アン : ET保管ロッカーのようなものですか?
★ アンダーソン博士 : はい。
しかし、いくつかの絵には人間が描かれており、風景は地球、特にニューメキシコ州北部のその地域のものでした。
従って、私達にはそれが異星人種からのものである可能性は低いように思えました。
また、今日、アナサジ・インディアンとして知られる、ナバホ族、そして、恐らくはホピ族インディアン部族の先駆者との交流があったという証拠も見られました。
そして、また、これは絵から推測されました……当初、これらは私達が解釈できる唯一の実際の記録でした。
私の記憶では、合計47の可能なシナリオが開発されていました。
私達のコンピューター・システムによってランク付けされた最も可能性の高いシナリオは、エンシェント・アロー遺跡がET種族を表しており、アナサジ・インディアンとの交流を記録した博物館に相当するものを残しているというものでした。
2番目に可能性の高いシナリオは、その場所がラビリンス・グループの将来のバージョンによって残されたタイム・カプセルを表しているというものでした。
◎ アン : それは私には、まだ奇妙に思えます……何故、それがラビリンス・グループの未来のバージョンだと思ったのですか?
★ アンダーソン博士 : ラビリンス・グループは、球体を囲む3つの同心円を、識別記号として使用しています。
彼らの絵画には、このシンボルがたくさん描かれていました。
また、私達がこのサイトを発見した方法は、私達にとって非常に奇妙に思えたのです……文字通り、このサイトに導かれたかのような気分でした。
そして、思い出して下さい、フィフティーンは、ラビリンス・グループのBST開発の見通しに非常に自信を持っており、ラビリンス・グループの将来のバージョンが何らかの形で接触するであろうことを知っていました。
それは、いつ、どのようにして行われるかだけの問題でした。
◎ アン : 私が貴方がこれまで遭遇したことのない最大の疑念者のように聞こえるに違いないことは分かっていますが、それでも私には、タイム・カプセルのようには思えません。
★ アンダーソン博士 : 貴方が、間違っていると言っているのではありません。
ラビリンス・グループ内で、正式にそう分類されていると言ってるだけです。
それには、複数の意味や目的がある可能性があります。
私個人としては、これはタイム・カプセル以上のものだと信じていますが、その要素はあると思います。
◎ アン : それで、その主な目的は、何だと思いますか?
★ アンダーソン博士 : ウイングメーカーの言葉を額面通りに受け取ると、言い換えれば、それが何であるかというと、それは世界文化の発展を促進するタイム・カプセルだということです。
彼らはタイム・カプセルが7つ全て発見されれば、現代の人間と未来の人間との間のコミュニケーションの架け橋となるだろうと主張しています。
◎ アン : 私はサウザース博士が書いたメモを読み、その発言も覚えていますが、グローバルな文化はとてもありそうにありません……とても不可能です。
更に、[エンシェント・アローのサイトからの]これらのオブジェクトは、世界文化を構築する為にどのように使用できるのでしょうか?
それは私には、少しナイーブなように思えます。
★ アンダーソン博士 : 私が言えることは、それがインターネットとウイングメーカーズが、OLIN、または One Language Intelligent Network と呼んだ新しい通信技術に関連しているということだけです。
私が残した用語集のセクションを読んでいただければ、そこで言及されていることが分かるでしょう。
ウイングメーカーズは、OLINテクノロジーがインターネットを通じたグローバル文化の創造に役立つと確信しているようです。
ついでに言えば、これは偶然にも、ラビリンス・グループが1,500年前まで遡ることを知っていたという予言と一致しています。
もちろん、それを可能にするテクノロジーはOLINと呼ばれていませんでしたが、グローバル文化と統一ガバナンスの概念は何世紀にも亘(わた)って予測されて来ました。
◎ アン : これはジョージ・ブッシュが、新世界秩序と呼んでいたものですよね?
★ アンダーソン博士 : はい、しかし、この概念を認めた大統領は、他にも4人居ます。
◎ アン : 世界の人々が、一つの統治機構の下で統一すること、或いは更に言えば、世界的な文化を創造することを決意させるものは、何でしょうか……それが、何を意味するにせよ?
それが起こるなんて想像もできません……私が生きている間には、起こり得ません。
★ アンダーソン博士 : ウイングメーカーズによると、それはデジタル経済を通じて、そして、インターネットのOLINテクノロジー・プラットフォームを通じて実現されるでしょう。
そして、このグローバル・ネットワークを通じて、エンターテインメントと教育コンテンツがグローバル化されます。
これは、統合されたコマース、コンテンツ、コミュニティを備えたグローバル文化の基礎です。
これらのインフラストラクチャが整備されると、このインフラストラクチャを管理する必要性が、今日の最重要課題として浮上するでしょう。
そして、国連はそのような取り組みを論理的に統括する機関です。
世界の人々が経済のデジタル化を許可し、OLINテクノロジー・プラットフォームを受け入れる限り、世界的な政府と文化が出現することは事実上確実です。
◎ アン : それで、昨夜、言ったように、これは2018年に起こるはずなのですね?
★ アンダーソン博士 : 予言によれば、その時、国連は統一世界政府の最初の選挙を実施することになります。
そして、それは全能の中央集権的な機関ではなく、むしろ、世界全体に影響を与える問題に対する、グローバルな公共政策の決定と執行を行う組織となるでしょう。
汚染、地球温暖化、国境紛争、宇宙旅行、テロ、貿易、商業、OLIN技術のアップグレード、一般的な技術移転プログラムなどの問題が含まれます。
◎ アン : それでは国連のこの新しい役割において、国家主権はどうなるでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 推測的な回答の形で貴方の質問に答えるつもりですが、貴方がこのインタビューの冒頭で、コースから外れたら思い出して欲しいと私に尋ねたことも承知しています。
何を、ご希望ですか……。
◎ アン : いいえ、全くその通りです。
すみません。
アーティファクトに戻りましょう……初めて入った時のサイトの状況は、どうでしたか?
或いは、もっと良いのはサイト内での最初の出会いについて、説明してみてはいかがでしょうか。
★ アンダーソン博士 : 私は最初にETの影響がある可能性があると判断された後、この遺跡を探索する為にニューメキシコ州を訪れたACIOの5人のうちの1人でした。
当時、私達の誰もエンシェント・アロー遺跡がこれほど重要な発見になると結論づけるに至るようなことを、何も知りませんでした。
我々が得た唯一の本当の手掛かりは、ずっと後になってタイム・カプセルの内室の入り口付近で回収された遺物でした。
NSAはこのアーティファクトがETの起源である可能性があると見做した為、このプロジェクトがACIOの管理下に置かれたのでした。
◎ アン : 具体的に何が、NSAにこの人工物が異質なものであると結論づけたのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 他の全ての遺物と同様に、それは炭素年代測定分析に反応を示さず、別世界のように見える独特のマークやシンボルがありました。
それは純グレードのチタンとベリリウムの複合材料であり、ご存知の通り非常に希少です。
また、恐らくもっと重要なことは、アーティファクトをアクティブにしたり、その内部コントロールにアクセスしたりする明確な方法がなかったことです。
その内部は様々なスペクトル分析の影響を受けず、単純なX線ですら物体を透過することができませんでした。
何(いず)れにせよ、このアーティファクトは基本的にACIOに引き渡され、ACIOはそれがET起源のものであると判断し、発見された地域の調査を開始しました。
我々は当初、結果が出ませんでしたが、科学者の1人が全く偶然にアーティファクトをアクティブにする方法を発見した為、その後の訪問でアーティファクトを使用することができました。
私達はそれが発見された地域でそれが作動した場合に、どのような影響があるのかを確認したかったのです。
◎ アン : これは、貴方が写真を見せてくれた人工物ですか?
★ アンダーソン博士 : ええ。
◎ アン : 発見された場所で作動させることが、何故、重要だと考えたのですか?
★ アンダーソン博士 : それはコンパス、またはホーミング・ビーコンの一種であると考えられていたからです。
確信はありませんでしたが、実験室では機能的な目的を特定できなかったので、デバイスが発見された地域でどのように機能するかを確認する、論理的な実験のように思えました。
私が現場に行くよう誘われたのは、これが初めてでした。
とにかく、私の話に戻りますが、ACIOのこの探検チームはタイム・カプセルが隠されている峡谷の壁の内部への入り口を見つける為に、この装置を使用する方法を考え出しました。
この装置が作動すると、人が行きたい場所の思考波や心象風景が送られるようでした。
私達のチームのリーダーは最初に現場の外で装置が作動した時、その装置を持っていた人物でした。
そして、彼は直ぐに渓谷の壁の裂け目のうちの20~30メートルにある洞窟のような構造物に、彼を導く写真を見始めたのです。
◎ アン : 先ほど話したこのアーティファクトを使って敷地内を見つけたのは、少し奇妙に思えますが……つまり、入り口の直ぐ外でこれを見つけて中へ案内してくれるというのは、ちょっと便利過ぎませんか?
既に入り口があったでは、それとも爆破して中に入る必要があったのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 内部への道は自然に作られた洞窟の後ろに巧妙に隠されており、洞窟自体は自然の下草によって、よく隠されていました。
この洞窟は深さ約25メートルで、峡谷の壁の内側に通じていました。
私達はそれが、長い間放棄されていたある種のインディアンの住居であると、推測しました。
この洞窟の終わりに向かって横に突き出た小さな部屋があり、この部屋の後ろの床には大きな平らな岩がありました……直径は恐らく2.5メートル、厚さは約2デシメートルです。
以前に発見された装置、または遺物は私達のチームリーダーに精神的な映像を放出しており、彼はそれが彼をこの平らな岩に導いたと確信しました。
私達はその岩を動かそうとしましたが、明らかに重過ぎて、私達5人では微動だにできませんでした。
実際、私達がツルハシとスレッジ・ハンマーを持って現場に戻り、岩を砕くという退屈な作業を始めたのは翌日のことでした。……。
◎ アン : では、岩の下に何かがあると確信したのですか?
★ アンダーソン博士 : 私達はこの自然の洞窟の奥にある平らな岩の、これほど鮮明な画像を装置がリーダーに送信したのには理由があるに違いないと考えました。
この装置が、もし、それが何らかのホーミング装置であるならば、私達を見つけ易くする為に設計された何かへと、私達を導いているのかも知れないというのは、論理的に思えました。
約2時間かけて岩を砕いた後、最終的に岩を十分に細かく砕き、その下にトンネルが確かにあることを確認することができました。
トンネルはJの形をしており、直径は約1メートルでした。
私達は交代でトンネルを滑り降り、螺旋(らせん)階段の入り口に立ったのです。
◎ アン : それで、貴方方5人全員がこの……この螺旋(らせん)階段の中に居て、懐中電灯で周りを見回していた。
その時、貴方の心の中に、何が浮かんでいましたか?
★ アンダーソン博士 : 私達は皆とても興奮していましたが、同時に少し不安でもありました。
私達はETのサイトを見つけるかも知れないと考えていましたが、それが活動的なサイトである可能性があることには半ば気づいていました……その為、私達は皆警戒していました。
デバイス、またはアーティファクトは音の周波数を発し始め、私達がトンネルを登るに連れてピッチが上がり続け、最初の部屋に到着した時、それは完全に消滅しました……恰(あたか)もその目的が達成され、単に閉鎖されたかのように。
◎ アン : それで、これ全体が岩から彫られたのですか?
★ アンダーソン博士 : それは完全に人工物でした……或いは、異星人でした……そして、私達は転移トンネルを出た瞬間に、それを悟りました。
全く新しい世界に、生まれ変わったような気分でした。
全くの静寂でした。
空気は冷たかったですが、不快なほど寒くはありませんでした。
生命の兆候はなく、全てが新たな目的を帯びたかのようでした……私達は、その知的な目的を解明するのが待ち切れませんでした。
非常に注目に値したのは超現実的な世界、つまり、全く異質なものによって創造された世界に足を踏み入れたという、信じられないほどの感覚でした。
私達はJトンネルを出た瞬間から、それがETによるものだと思いました。
◎ アン : でも、それが自然の部屋や洞窟ではなく、人工的な建造物だと、どうやって直ぐに分かったのですか?
★ アンダーソン博士 : 螺旋(らせん)階段の始まりには、これまで私達の目で見たことのない精緻(せいち)さで石に装飾された岩面彫刻が彫られていました。
また、トンネル全体は明らかに滑らか過ぎて、ほとんど磨かれていて、自然に作られたものとは思えませんでした。
建築的な感覚がありました……誰かが細心の注意と目的を持ってデザインしたという感覚。
驚くべきことに、床には何もありませんでした。
小石や砂粒さえ、ありませんでした。
全ての表面は完全に綺麗で、滑らかで、磨かれていました。
埃(ほこり)はありましたが、単なる埃(ほこり)でした。
そして、ポリマー・コーティングのようなものが、天井を含む構造物の全ての平方センチメートルに塗布されていました。
入り口から僅(わず)か30メートルほどの最初の部屋に到着した時、私は畏怖の念というか、宗教的な体験に近い感覚をはっきりと覚えています。
私達のライトが最初の部屋の絵に当たった後、長い間、誰も話しませんでした。
全員の懐中電灯がその絵に集まり、この墓のような建物の信じられないほどの静寂の中で、私達は皆、約40秒間ただ見つめていました。
最初に自分の声を見つけたのは私でしたが、私にできたのは『これは明らかにナバホ族でも、他のインディアン部族でもない』ということだけでした。
◎ アン : その日のうちに、全ての部屋を見つけたんですか?
★ アンダーソン博士 : はい。
私達は部屋から部屋へと移動する度に、異星人の自然史博物館に迷い込んだような気分でした。
基本的な懐中電灯以上のものは必要ないと予想していた為、照明があまり良くなかったことを理解する必要があります。
初めて室内画を其々(それぞれ)見た時、ただ眺めていたことを鮮明に覚えています。
その場所の驚くべき時代錯誤に、魅了されました。
これほど非現実的な環境に身を置いたのは、初めてでした……それは不気味であると同時に、完全に魅惑的でした。
◎ アン : では、部屋と絵画そのものの大きさは、どれくらいでしたか?
★ アンダーソン博士 : 部屋自体は比較的小さく、直径約4メートルで天井はかなり高く、場合によっては6メートルもありました。
◎ アン : それでは、私が見た室内画の写真から判断すると、絵自体はかなり大きいはずですか?
★ アンダーソン博士 : はい、それらは大きくて、常に部屋の入り口に面しています。
特定の部屋の入り口の直ぐ外に立っても、絵全体を見ることはできません。
大き過ぎます。
全体の構成を見る為には、部屋に入らなければなりません。
◎ アン : ラビリンス・グループの意見では、これらの絵画の芸術的利点は、何ですか?
★ アンダーソン博士 : ラビリンス・グループの中に美術評論家であると主張する人は、一人も居ないと断言します。
部屋の絵を元の環境、つまり、部屋そのもので見た人達は、芸術的メリットを感じたと言っていいと思います。
非常に説得力があり、魅惑的ですらあります。
写真でしか表現されていないものを見た人は、それらを芸術というよりも、児童書の挿絵のような見事にデザインされた歯車のようなものだと思ったと思います。
◎ アン : 話題を変えるつもりはありませんが、どうして貴方が私を選んだのかずっと疑問に思っています……つまり、貴方が完全にランダムだと言ったのは知っていますが、何故、この記事を共有する為に平均的なジャーナリストを選んだのですか?
何故、科学者か、少なくとももっと高度な質問をできる人が居ないのでしょうか?
正直に告白しますが、私は貴方にインタビューするのに全く相応(ふさわ)しくないと感じています。
その主な理由は、どのような質問をすればよいのかさえ分からないからです……。
★ アンダーソン博士 : 貴方は、素晴らしい仕事をしています……全く問題ありません。
質問について、心配する必要はありません。
彼らは、洞察力に富んでいます。
この情報を読むほとんどの人は、関係する物理学や科学よりも貴方が尋ねたことに興味があるでしょう。
◎ アン : もしかしたら、でも、私は貴方に科学的な質問をできれば、貴方の話や信憑性をもっと簡単に証明できるのではないかと、しつこい気持ちを抱いています。
私が貴方に、何らかのハンディキャップを与えているのではないかと思います。
★ アンダーソン博士 : 私に聞いていないと感じるのは、具体的には何ですか?
◎ アン : それは主に、タイムトラベルとBSTに関連したものだと思います。
昨夜、貴方はいくつかのことについて話していましたが、今日の早い時間に再読した時、もっと深い質問をすべきだったように感じました……。
★ アンダーソン博士 : どのような……。
◎ アン : それが問題なのですが、分かりません。
★ アンダーソン博士 : アン、私が貴方を選んだ理由は単純です。
主流メディアにアクセスする方法を知っていて、しかも、比較的無名である人を見つける必要がありました。
もし、私が大手新聞社の科学編集者を選んでいたら、エンシェント・アロー・プロジェクトの文化的、芸術的、社会的影響についてではなく、より科学的な質問をすることになっていたかも知れません。
私が無作為に選んだ中で、貴方には守るべき確立されたイメージがなく、メディアにアクセスする方法を知っており、自分のアイデンティティを裏切らない健全な質問をすることができることは分かっていました。
だからこそ私達は、今、話し合っているのです……そして、貴方が私が気が狂っているとは思わなかったという事実も。
◎ アン : これまで貴方にこんなことを聞いたことはありませんでしたが、ちょっと気になったのですが、貴方が最初に話をしたジャーナリストは私だったのでしょうか、それとも貴方が私を見つける前に誰かが貴方を断ったのですか?
★ アンダーソン博士 : いえ、ラビリンス・グループ以外でこの話について話したのは、貴方が最初で唯一の人でした。
◎ アン : 少し話題を変えて、フィフティーンの性格についてお聞きしたいのですが……よろしいでしょうか?
★ アンダーソン博士 : はい、大丈夫です。
◎ アン : 彼はリーダーとして、どんな人ですか?
★ アンダーソン博士 : 彼は非常に集中力があり、一緒に仕事をする人全員に同じように集中することを要求します。
彼は仕事中毒で、毎晩、約4時間睡眠し、残りの時間はBSTの一部に取り組んでいます。
BSTに特定の戦略的影響を与えない新しいテクノロジーの研究や開発がある場合、彼はそれに関与しません。
そのような性質のプロジェクトについては、質問すらしません。
通常、ACIO内にはBSTと関係のないプロジェクトが常に3~4つあります。
ラビリンス・グループ内では、全てのプロジェクトがBSTに関連しています。
◎ アン : 彼は、どんな顔をしていますか?
★ アンダーソン博士 : 彼は平均的な身長で、肩まであるかなり長い白髪をしており、通常はポニーテールにしています。
彼はいつも、私に長い髪のパブロ・ピカソを思い出させます……彼も同じように鋭い目を持っています。
彼はスペイン出身なので、ピカソに似ているのは偶然ではありません。
彼の最大の特徴はその目で、表面的には悪いことをした子供のように悪戯(いたずら)っぽいですが、その裏では素晴らしいものを作り出しています。
ただ、その素晴らしい部分は、まだ誰も理解していません。
それが、彼の目の奥で起こっていることです。
◎ アン : もう聞いたかも知れないけど、彼は何歳ですか?
彼は、60歳くらいだと思います。
少なくとも、そのくらいの年齢に見えます。
誰も、彼の年齢を言うのを聞いたことがありません。
彼が学生だった頃は、年齢の割に老けて見えたはずです。
彼は20代前半から、白髪になり始めたと思います、それが恐らく彼が学生ではなく、教授と間違われることが多かった理由でしょう。
◎ アン : 前に彼は、学校から追い出されたと言いましたが、何故ですか?
★ アンダーソン博士 : 覚えておいて下さい、彼はほとんどの子供達がデートやパーティーを心配する年齢であっても、BST……或いは少なくとも初期バージョンのタイムトラベルに取り組んでいたのです。
彼は物理世界に入り込んで、非常に早くから知っていた先見の明のある人の一人です。
幼い頃、彼が何をしに来たのか。
フィフティーンは、タイムトラベルする為に生まれました。
期間と……物語の終わり。
彼が今まで気にして来たのは、それだけでした。
1950年代、BSTの研究は、冗談ではなく時間の無駄だと考えられていました。
それはあまりにも理論的過ぎて、実際的なものとは全くかけ離れていました。
フィフティーンは学生時代に非常に聡明だったので、ほとんどの教授達を威圧していたので、教授達にも酷(ひど)いことをしたと思います。
とても頑固なところもあり、教授達にもっと実践的な研究に変更するように言われた時、フィフティーンはお前達は心が狭いと言ったようです……または、その旨の何か。
私に話したように、その学期の終わりに彼は強制的に退学させられました。
しかし、ベル研究所は量子物体とそれが意識によってどのように影響を受けるかに関する彼の研究に興味があった為、短期間で彼を雇用しました。
◎ アン : すみませんが、量子物体(クウオンタム・オブジェクト)とは、一体何ですか?
★ アンダーソン博士 : それらは、電子や中性子のような元素です。
量子物体は物質の基本的な構成要素であり、波としても粒子としても現れます。
◎ アン : それでフィフティーンは、量子物体が意識の影響を受けることを証明しようとしていたのですね。
何故、それが研究大学にとってそれほど危険なのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : それ自体はそれほど急進的なものではありませんでしたが、量子物理学のコミュニティに急速に導入されつつある新しい物理学を使用して BST(Blank Slate Technologyの頭字語)を構築する方法に関する、彼の研究全体のほんの一部に過ぎませんでした。
フィフティーンはアインシュタインの一般相対性理論には欠陥があると、常に主張して来ました。
これは、人気のあるポジションではありません。
ニュートンの機械論的宇宙理論があまりにも限定され過ぎて、今日、私達が複雑性理論、またはカオス理論と呼んでいる現象の多くを説明できなくなったのと同じように、フィフティーンはアインシュタインの理論が意識が量子対象に与える影響を過小評価していると感じていまた。
50年代と60年代には、特に数学的モデリングや公式によって証明することが不可能だった為、これは異端に等しいものでした。
そこでフィフティーンは秘密裏に理論の開発を続け、ACIOがグレイから再構築したテクノロジーに基づくヒューリスティック学習システムに関連するプロジェクトに関与するようになった時、ACIOに注目され始めました。
ACIOのプロジェクトリーダーは、彼の知性と素晴らしい創造性を認め、この若者との関係を築き始めました。
数か月後、フィフティーンはACIOに加わるようスカウトされ、基本的に自分のアイデンティティを捨て、直ぐに研究責任者の地位に昇進しました。
その後、彼はコルテウム・インテリジェンス・アクセラレータ・テクノロジーを紹介されましたが、その後は歴史になっています。
◎ アン : このコルテウム・テクノロジーとは、正確にどのようにインテリジェンスを加速、または拡張するものでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 意識が線形時間で、1秒当たり約15ビットの情報しか処理していないことに気づいている人は、ほとんどいません。
しかし、垂直時間では、無意識は約7,000~8,000万ビットの情報を処理しています。
従って、通常の意識において、人間は無意識レベルで常に与えられている情報のうち、極(ごく)僅(わず)かな量しか認識していません。
コルテウム・テクノロジーは、意識のフィルタリングの側面を軽減し、より高い周波数の情報パケットを意識に供給できるように設計されたものです。
この取り組みと並行して、脳の回路は意識に供給される高電圧の情報を処理できるように再配線され、写真記憶と抽象的思考のような能力が共存できるようになります。
これらの機能は目の前の問題やタスクに基づいて、特定の時点で無意識のリポジトリから最も関連性の高い情報を引き出す、マトリックス・フィルターになります。
◎ アン : 私が行動科学者だったら、今直ぐ貴方に、約1,000個の質問ができるでしょう。
しかし、私は貴方の言うことが理解できません。
つまり、貴方は、今、何ビットの情報を処理できますか?
★ アンダーソン博士 : これは実際には情報処理の量に関する単純な問題ではなく、むしろ、個人の意図に基づいた線形時間における情報の関連性の問題です。
人がコルテウム・テクノロジーのプロセスを経ると、状況や問題に関連する情報パケットを同調する能力が大幅に向上します。
ほとんどの人は特定の状況に直面すると、自分の意識にアクセスし、過去に役に立った解決策を引き出します。
従って、人々はマンネリ化やパターン化された行動に陥り、リアルタイムの状況分析に基づいた非常に関連性の高い無意識の情報パケットへのアクセスを閉ざしてしまいます。
このテクノロジーは進化的思考プロセスを加速し、心の意識的側面と無意識的側面の間の情報循環が反復的な円のパターンではなく、上昇する螺旋のパターンで流れることを可能にします。
そして、それは個人の生来の知性を解き放つコルテウム・テクノロジーの、この品質のおかげです。
つまり、コルテウム・テクノロジーは生の知性を高めるのではなく、単に個人の自然な知性を促進するだけなのです。
◎ アン : これは、とても素晴らしいことです。
コルテウム・インテリジェンス・アクセラレーターのこの療法を受けて、本当に鋭い質問をできるようになればいいのにと思います。
それでは、少し休憩しましょう。
《 10分間の休憩 》
★ アンダーソン博士 : テープレコーダーがついているので、繰り返します。
コルテウム・テクノロジーは、フィフティーンがACIOとラビリンス・グループの両方のエグゼクティブディレクターに就任する上で、最も影響力のある要素でした。
確かに、コルテウムの知能強化プロセスを受ける前は彼は優れた頭脳を持っていましたが、何らかの理由でテクノロジーが他の誰よりも彼の知能を強化したようです。
かなりの程度で。
◎ アン : コルテウムとフィフティーンが、どういう訳かラビリンス・グループとは別個の勢力であると疑った人は居るのでしょうか。
つまり、彼らが別の目的を持っている可能性を、誰かが考えたことがあったでしょうか……恐らくBSTは、彼らの最終目標ではなかったのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : いいえ。
フィフティーンとコルテウムの両方に対する絶対的な信頼は、かつてもあったし、今でもあると思います。
コルテウムが、慈悲深い種族であることを理解する必要があります。
彼らが私達を支援するという善意以外の何ものを持っていたという証拠は、一度も見たことがありません。
そして、私達は可能な限り、彼らに見返りとして支援しようと努めました。
それは礼儀正しく、完全に互恵的なパートナー・シップでした。
◎ アン : 昨夜、貴方はコルテウムがラビリンス・グループの一部であると言いましたが、実際のメンバーは数百人ほどだけでした。
どうやって彼らは、ラビリンス・グループの一員になったのですか?
★ アンダーソン博士 : 実のところ、はっきりとは分かりません。
ラビリンス・グループへの参入を後援してくれた取締役の一人に同じ質問をした時に、何と言われたかだけをお話しできます。
彼は私に、フィフティーンがACIOとの連絡役として、コルテウムによって選ばれたと言いました。
彼らは人間との技術移転プログラムを開始する人として、彼を選んだのです。
フィフティーンは、コルテウムが提供する知能強化テクノロジーに従うことに同意しました。
この経験から、BSTをどのように開発できるかについてのフィフティーンのビジョンが具体化されました。
彼は基本的にフレームワークと、設計青写真を作成しました。
コルテウムが豊富に備えているものの1つは、論理的知性です。
彼らは科学的調査と論理的推論の点で、非常に熟達しています。
彼ら自身が認めているように、彼らに欠けている能力のは発見における創造的な先見の明の側面です。
これはまさに、フィフティーンが優れている点でした……。
◎ アン : しかし、貴方が話しているのは、テクノロジーにおいて私達よりも優れている種族のことです。
どうして彼らに、創造的な洞察力が欠けることが有り得るのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : これらのことは、全て関連しています。
実質的に他の全ての人間と比較して、コルテウムは創造的で先見の明があります。
しかし、最も鋭い知性を除く全ての存在にとって完全に異質な、次元マトリックスに存在する物理学の形成原理があります。
そして、フィフティーンは、そのような知性を持っていました。
コルテウムはこの技術に対する独自のアプリケーションを持っている為、フィフティーン、より一般的にはラビリンス・グループがBSTを開発できることを望んでいたのです。
◎ アン : しかし、昨夜、貴方は、私達の銀河系内には既にタイムトラベル能力を持っている他の種族が居ると言いましたが、何故、コルテウムは単純にこれらの種族のところへ行って、彼らと契約を結べばいいのではないでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 前にも言ったように、自らの意思でタイムトラベルを開発した種は、それを他の種族と共有することを望まないでしょう。
それはまさに全てのテクノロジーの中で、最も厳重に守られています。
そして、人は単にそのテクノロジーを借りるだけではありません。
たとえ、その必要性が切実、かつ真実であると思われる場合でも。
テクノロジーそのものに依存してしまうのは、とても簡単です。
更に、昨晩説明しようとしたように、タイムトラベルとBSTの間にはかなりの違いがあります。
ラビリンス・グループが開発しようとしているBSTの形態を持つ種を、私は知りません。
こんな感じです、アン、BSTは一連の相互依存的ではありますが個別のテクノロジーを必要とし、開発者はこれまで発見されたことのない新しい定理、新しい物理法則を適用する必要があります。
そして、世界がどのように機能するかについての新しいマトリックスに基本的に基づいて、この一連のテクノロジーを構築するには……それは、気の遠くなるような仕事です。
これまで真実だと考えられていたものは全て破壊され、再発明され、再定式化されて、この新しいマトリックスに統合される必要があるのです。
これが、BSTの本質です。
白紙の状態から始めて、物質の意識を再発明し、再定式化し、再構築します。
◎ アン : ゆっくりお願いできますでしょうか……分からなくなりました。
物質の意識?
★ アンダーソン博士 : 量子物体とそれが意識によってどのように影響されるかについて、私が前に述べたことを覚えていますか?
◎ アン : ええ。
★ アンダーソン博士 : 量子物体は純粋な光エネルギーになり、質量を持たなくなるまで、益々粒状、または精製されていきます。
それらは物理的現実のものではなく、むしろ、純粋な状態のエネルギーです。
このエネルギーは、更に振動のオクターブに分割されます。
つまり、この光のエネルギーは振動し、音楽と同じように基音と倍音があります。
倍音は基本エネルギーの振動と共鳴し、エネルギーのパケット全体が合唱団のように歌います……その声が光であることを除いては。
この歌声は、全宇宙の全ての物質……あらゆる物理的物体に浸透する意識に相当します。
フィフティーンはこの遍在する意識、或いは速記を好む私達の為に彼が光符号化現実マトリックス(LERM)と呼ぶものを証明することに成功しました。
何(いず)れにせよ、光符号化現実マトリックス(LERM)は、BSTが実際に可能性があることを証明する方法を考案する為に必要な新しい定理の1つに過ぎず、フィフティーンの心の中にある単なる空想的なビジョンではありません。
◎ アン : 貴方が言ったこの遍在する意識とは、本当に霊や神のことを言っているのですか?
★ アンダーソン博士 : その通り。
◎ アン : 貴方は本当に、一線を越えてしまっています。
フィフティーンが、神を発見したと言うつもりですか。
彼は、神の証拠を持っていると?
★ アンダーソン博士 : ある意味ではそうですが、しかし、神は私達が呼んでいるようなものではありません。
それは、光符号化現実マトリックス(LERM)です。
そして、フィフティーンは私達が光符号化現実マトリックス(LERM)を神、或いは神のようなものとさえ呼ぶことは決してないと、非常に強調していました。
彼は、光符号化現実マトリックス(LERM)を神の影として考えることを好みました。
影を落とす光、そして、影そのものは科学やその他の客観的な調査によって証明することは不可能だと、彼は信じています。
◎ アン : 分かった……分かりました。
でも、ちょっと聞いて下さい。
貴方の言うように、光符号化現実マトリックス(LERM)が神の影だとしたら、それは神の存在を証明することになるでしょう?
★ アンダーソン博士 : フィフティーンの仕事を理解しているラビリンス・グループ内の私達にとって、答えはイエスですね。
◎ アン : では、これはエンシェント・アロー計画よりも、更に重要ではないでしょうか?
つまり、もし、誰かが神の証拠を持っているなら、この情報を一般の人々と共有するのはその人の道義的責任ではないでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 恐らく、しかし、これを一般に公開できる唯一の方法は、ラビリンス・グループが何者であるかを明らかにすることですが、それはフィフティーンが考えていることでさえありません。
彼は、それによって生じる嘲笑や誤解を恐れています。
そして、彼の発見に至った隠されたテクノロジーが数多く存在する為、何(いず)れにせよ誰も彼のことを信じないだろうと固く信じており、これらのテクノロジーを学界、政府機関、メディアに公開することに彼は興味がありません。
彼は次の救世主になるでしょう……見方によっては悪魔に、か。
◎ アン : つまり、彼は、自分自身の秘密の中に閉じ込められているのですね……。
★ アンダーソン博士 : ある意味では、しかし、彼は閉じ込められているとは感じていません。
彼は単に学界の社会構造や科学コミュニティからあまりにも遠く離れている為、実際的な目的で自分の橋を燃やしており、残されたもの全てから自分を隔てる溝を越えるつもりは全くないのです。
◎ アン : 彼はきっと、信じられないほど孤独なのでしょうね。
★ アンダーソン博士 : 私は、そうは思いません。
彼はとても元気で、基本的に幸せそうに見えます。
彼はまさに、自分がやりたいことをやっています、私は彼が落ち込んでいるのを見たことがないとは言えませんが……。
がっかりするかも知れないが、落ち込むことは決してないでしょう。
◎ アン : 光符号化現実マトリックス(LERM)とBSTの関係が、まだ分かりません……。
★ アンダーソン博士 : ご存知のように、もし、物質が最終的に光のオクターブに溶解し、光が意識のオクターブに溶解し、意識が現実のオクターブに溶解するとしたら、物質、光、意識、現実は全て生態系のように相互依存します。
そして、エコシステムのように、1つの要素を変更すると全体に影響します。
従って、LERMに含まれる要素の何(いず)れかを分離して変更すると、現実を変えることができます。
これは、BSTの基本的な構造です。
これで、貴方の質問の答えになりますか?
◎ アン : よく分かりません……分かりません、恐らくこれら全ては、重要ではありません。
またしても、私は自分の領域から外れていると感じています。
これは興味深いと思いますが、同時にイライラします。
このようなことが私の世界で起こっているのに、私がそれを知らないことに腹を立てている自分さえ居ます。
光符号化現実マトリックス(LERM)そう、つまり、私はついさっきまで、そのことについて知りませんでした。
私には、それは不公平のように思えます。
昔ながらの持つ者と持たざる者の物語が、再び繰り返されるのです。
初めてこの話を聞いて疎外感を感じた人がどのように感じるか、理解できますか?
★ アンダーソン博士 : ええ、分かります。
◎ アン : 貴方にとって、これら全ては当然のことだと思って構いません。
結局のところ、貴方は知っています。
しかし、残りの私達は、実際には暗闇の中でぶつかり合っているだけなのに、世界はこれだ、あれだと思いながら、小さな人生を混乱させています。
私達は、基本的に無知ですよね?
★ アンダーソン博士 : 分かりません……多分。
恐らく貴方の言うことは正しいでしょう、それは問題ではありません。
私はただ自分が知っていることを知っていて、自分が信じていることを信じているだけです。
それ以上は、貴方にとっても同様に、私にとっても神秘的なのです。
ラビリンス・グループや、フィフティーンやコルテウムを含むそのメンバーが全てを理解していると考えるのは、大きな間違いです。
そうではありません。
ですが、彼らは答えを得る為に一生懸命働いています、アン。
つまり、本当に難しいのです。
彼らはBSTのこの使命に、人生の全てを捧げて来ました。
彼らは単に、偶然その知識に陥った訳ではありません。
彼らは、光符号化現実マトリックス(LERM)の存在を発見するまで、何千回もの異なる実験を試みては失敗しましたが、BSTの解決策を見つけるまでには、恐らく更に何千回も失敗するでしょう。
しかし、信じて下さい、これらの人々は偶然に知識に到達した訳でも、何かより高い力によってその知識が彼らに与えられたからではありません。
◎ アン : いいえ、そういうつもりで言った訳ではありません。
ラビリンス・グループにとっては嬉しいんですが……そう思っています。
この地球上の誰かがこれを理解した、或いは少なくとも試みようとしていることを嬉しく思います。
これら全てを理解する証拠……知識、機会を持っている人が非常に少ないのは不公平です。
彼らの生活はあまりにも異なっているので、どこか別の惑星に住んでいるのも同然かも知れません。
彼らは、地球外生命体であるのも同然かも知れません。
★ アンダーソン博士 : 私が笑っているのは、それがフィフティーン達に対する最初からの恐怖だったからです。
もし、誰かがラビリンス・グループとその計画について知ったら、彼らはETとみなされるだろうということです。
そして、ここに貴方が居て、その恐怖を裏づけています。
◎ アン : ある意味、貴方が私を選ばなかったら良かったのにと思います。
今の私の人生は、大きく変わりました。
私が考えることができるのは、これだけです。
起きている間ずっと、それが私を消耗させます。
この話を、どうやって伝えればいいのか分かりません。
何も思いつきません、何にも。
★ アンダーソン博士 : アン、私達が初めて話し、コルテウムについて話した時のことを覚えていますか?
貴方の最初の質問は、コルテウムがどのように見えるかということでした。
◎ アン : はい。
それで、貴方の言いたいことは……?
★ アンダーソン博士 : これらは人々が抱く当然の疑問です。
光符号化現実マトリックス(LERM)に興味を持つ科学者は少数かも知れませんが、私はそれを疑います。
これらのインタビューで描かれていることはあまりにも表面的であり、科学者がそれを真剣に受け止めるとは思えません。
そして、そのような人達は一元論的理想主義を認証することは崇高な行為であると考えるでしょうが、それ以上のものではありません。
つまり、貴方の最初の直感は、信頼されるべきです。
人々が興味を持ちそうな、基本的な好奇心を刺激するような質問をして下さい。
そして、私の発言によって世界が変わることを心配しないで下さい。
そんなに、肩に力を入れる必要はありません。
◎ アン : 分かりました、貴方の仰(おっ)しゃる通りです。
貴方は、絶対に正しいです。
私はこの全ての真実については確信が持てないこと、私はまだ貴方の言うことに納得していないこと。
記録の為に、言っておきます。
★ アンダーソン博士 : そして、私は貴方や他の誰かを説得しようとしている訳ではありません。
私は貴方の質問に、私が知っている限り正直に答えているだけです。
◎ アン : Touch�(? : 訳注 : 文字分からず)
それでは、このインタビューを読む人達の為に、コルテウムとはどのようなものですか?
★ アンダーソン博士 : 決して、聞かないだろうと思っていました。
彼らは高さが3メートル近くあり、非常に細長い頭と胴体を持っています。
彼らの肌はとても白く、洞窟の住人から予想されるようにほぼ半透明です。
彼らの目は比較的大きく、私達と同じように様々な色がありますが、コルテウムは年齢や場合によっては、感情状態に応じて目の色が異なります。
コルテウムの非常にユニークな点は、彼らが信じられないほど明瞭な神経系を持っており、他人の思考を含め、環境内で起こるほぼ全てのことを処理できることです。
つまり、彼らの前に居る時は、自分の考えをコントロールする必要があり、そうしないと彼らを怒らせる可能性があります。
彼らは感情的に、とても敏感です。
◎ アン : 彼らはどのように、貴方とコミュニケーションを取っているのですか?
★ アンダーソン博士 : 彼らは英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、その他ほとんどの言語を完璧に話します。
彼らは非常に才能のある言語学者であり、数週間で平均的な言語スキルを習得し、数か月以内に言語の達人として機能しました。
彼らのマインドはスポンジのようなものですが、先ほども言いましたが、彼らは新しい情報を吸収したり、以前の情報と合成したりする驚異的な精神力を持っていますが、既存の情報と全く関係のない新しい情報を生み出すことには、必ずしも長けている訳ではありません。
それがまさに、彼らがフィフティーンに大きな感銘を与えた理由なのです。
◎ アン : 彼らは、エンシェント・アロープロジェクトの何に興味を持っていますか?
★ アンダーソン博士 : 私が推測するに、フィフティーンと何ら変わりはありません。
彼らはBSTを作成する取り組みに完全に夢中になっており、BSTの開発を加速するのに役立つ技術や定理がエンシェント・アローサイト内にあることを望んでいます。
◎ アン : それで、コルテウムは、BSTを使って何をしたいのですか?
★ アンダーソン博士 : コルテウムの惑星系はその保護大気が驚くべき速度で劣化している為、非常に脆弱(ぜいじゃく)な状態にあります。
彼らの大気は、私達と同じようにローカルの太陽や、程度は低いものの、最も近い星から発生する有害な光波から彼らを守っています。
何(いず)れにせよ、この症状により彼らは夜行性になり夜にのみ屋外に出ますが、それでも必要なだけ短時間だけ外に出ます。
何世代にも亘(わた)って、この為、彼らは解決しようとしているまさにその状態に益々影響され易くなりました。
彼らの外皮は益々敏感になり、その一方で彼らの大気は保護力を失いつつあります。
彼らの科学者達は、彼らが一年中地下コミュニティに留まらなければならないようになるまで、後(あと)10~20年しかかからないと予測しています。
これは彼らの生活水準、経済、社会構造に大きな影響を及ぼし、彼らの社会のあらゆる側面が影響を受けており、少なくとも彼ら自身の尺度ではほとんどがマイナスの影響を受けています。
彼らはBSTによって、大気の悪化を防ぐ為に最近発見した技術を導入できるようになることを期待しています。
◎ アン : 何故、彼らは、今直ぐこのテクノロジーを導入できないのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : これは再生技術ではなく、予防技術です。
システムが一定の逆行軌道に達すると、再生技術は不可能です。
彼らのシナリオでは、BSTだけが環境を復元します。
◎ アン : 彼らは宇宙旅行の技術を持っているのは明らかですが、何故、他の惑星を選んで植民地化しないのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 彼らは試みましたが、彼らの種に適した惑星は全て占領されていました。
そして、彼らは既存の文化や社会に同化することに、興味がありません。
彼らは、自分自身のアイデンティティと社会構造を望んでいます。
また、彼らが居住に適していると考えるものは、非常に特殊です。
例えば、彼らは地球に対しても、自分達の惑星に対して抱えているのと同じ問題を抱えています……実際、ここではもっと深刻です。
彼らは地球上で生き残る為に、地下基地に住まなければなりません。
その為には、彼らの宇宙船の為に特別な中継基地を建設する必要がありました。
◎ アン : 彼らは私達の政府や国民と、交流したいと思っているのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 最初、彼らはそうしたと思います。
そして、実際、彼らは試みました。
しかし、彼らは直ぐにACIOに護送され、私達はNSAと他の全ての関係者にコルテウムが彼らの命を恐れて地球を去ったことを確信させました。
それで……NSA内の私達の工作員に関する限り、コルテウムはとうの昔に消滅しており、幸いなことに当時のNSAはとにかく他のETの問題、つまり、グレイの問題にかなり夢中になっていました。
◎ アン : ちょっとウイングメーカーの話に戻りたいのですが、コルテウムはウイングメーカーズのタイム・カプセルについてどう思っていますか?
彼らは、全てを見たと思いますが?
★ アンダーソン博士 : はい、彼らは最初から関わっていました。
コルテウムは人間のメンバーと同様にラビリンス・グループにとって不可欠な存在である為、彼らから隠されるものは何もありません。
地球へのコルテウム・ミッションのリーダーは英語でマフナヒと呼ばれ、彼は何よりも先ず芸術家であり、科学者は彼の第二の性質です。
彼はいつも、私達の発見を見たり聞いたりすることに興奮していました。
彼は、エンシェント・アロー遺跡への中継所を作って、自分でその遺跡を訪れることができないか尋ねましたが、この遺跡に注目を集めずにそうするのは、現実的ではありませんでした。
◎ アン : 奇妙な質問がいくつかありますが、ご容赦下さい。
先ず、ACIO、ラビリンス・グループ、またはコルテウムのメンバーについて言及する時は、常に男性について言及していますね。
これらの組織の何(いず)れかに、女性は居ますか?
そして、第2に、何故、アーティストがコルテウムの宇宙ミッションのリーダーになるのでしょうか?
それは私にとって、非常に奇妙に思えますが。
★ アンダーソン博士 : 最初の質問に対する答えですが、ラビリンス・グループは男性が多いのは事実です。
私はこれが計画的であるかは分かりませんが、むしろ、偶然です。
ディレクターの1人は女性でコミュニケーションを担当しており、ディレクターとしてレベル14の資格を持っています。
また、恐らく12、または13のクリアランス(資格)カテゴリーに属する女性が9人居ます。
全員が非常に聡明で有能で、如何なる差別もなく男性と責任を共有しています……少なくとも、私が今まで知っていたことですが。
私達には、夫婦も1組居ます。
性別に関係なく各人に同じ金額が支払われ、全て同じ特権が与えられます……ラビリンス・グループの階級内には、何の区別もありません、そして、それはフィフティーンの主張によるものです。
コルテウムに関して言えば、彼らは全員男性です。
彼らの文化は私達の文化よりも遥かに役割が明確になっていますが、女性がより低い性別として扱われているという訳ではありません……いいえ、実際には全く逆かも知れません。
種の相互作用手順が発動されるまで、宇宙旅行と他の種との相互作用は男性の性別に委ねられるだけです。
それは、子供達が母親とのねがりを保ち、家族がより無傷でいることができるようにする為です。
コルテウム派遣団のメンバーの全員ではないにしても、ほとんどが既婚者です。
2番目の質問に関しては、コルテウムは、科学、宗教、芸術を、社会秩序を定義する統一信念体系の3つの同等のメンバーとして見ています。
私の理解では、リーダーシップは異星人種との接触に応じて、社会秩序のこれら3つの要素毎(ごと)に異なります。
彼らが最初に人間と接触した時、この分野では私達がより平等であり、そうすることでリーダーが私達の動機や欲求をより適切に理解できると彼らは感じた為、リーダーシップは芸術的側面の階級から来るべきであると決定されました。
◎ アン : それは興味深いですね。
実際、彼らは私達が科学的や精神的なものよりも芸術的であると考えていました。
今、考えてみれば、それが理解できると思います。
人種として、恐らく私達は他の人達よりもそのような傾向があるでしょう。
★ アンダーソン博士 : 何(いず)れにせよ、それが彼らの評価だったのです。
◎ アン : 少しアーティファクトの話に戻りたいのですが、テクノロジーをベースにしたアーティファクトは、今どこにあるのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : エンシェント・アロー遺跡の最初の発見後、現場から持ち出された物理的遺物は、全て輸送用の木箱に慎重に梱包されてバージニア州のACIO研究所に輸送され、ラビリンス・グループが自社の研究所に保管しています。
私の知る限りでは、そこにそれらはまだあります。
◎ アン : そして、ある程度解明されているのは、敷地外で発見されたホーミング装置と光ディスクだけでしょうか?
★ アンダーソン博士 : その通りです。
◎ アン : ご存知のように、貴方が以前に言ったことは、私にはあまり意味がありません。
ウイングメーカーが実際に人類の未来のバージョンを表しており、彼らがこのタイム・カプセルを通じてBSTのレシピ全体を提供しようとしていたとしましょう、何故、彼らはバージニア州の本社に転送して直ぐに本題に入らないのでしょうか。
その他の全てのもの……絵画、詩、音楽、謎めいた工芸品、哲学、更には、精巧な敷地自体さえも、何故、ただ青写真をフィフティーンに渡してそれで終わりではないのですか?
★ アンダーソン博士 : それは実際、非常に良い質問であり、貴方に質問してもらえないかと思っていました。
私達が確実に知っている事実が、いくつかあります。
ウイングメーカーはタイムトラベルすることができ、訪問した時間と空間と物理的に相互作用することができます……彼らがエンシェント・アロー・サイトで行ったことを考えれば、それは明白です。
しかし、彼らがBSTの5つの要素を全て備えているかどうかは、分かりません。
介入ポイントに関係する要素を、覚えていますか?
◎ アン : はい、それは因果関係があり、関連はあるものの別個の出来事への波及効果が最も少ない時点で、介入するタイミングを定義するものです。
そうですよね?
★ アンダーソン博士 : 貴方の定義には、1つだけ欠けているものがあります。
介入ポイントは、時間と空間の両方に共依存しているということです。
言い換えれば、BSTではイベントが概念段階、つまり、イベントが物理的に現れる前の段階にある時に、イベントの時間と空間の両方の座標を正確に修正する必要があります。
空間コンポーネントは通常、物理的な人物、または空間に焦点を当てた自然の出来事です。
これは非常にトリッキーなテクノロジーであり、ウイングメーカーズはインタラクティブなタイムトラベルを発見したと信じていますが、それでもまだ介入ポイントを正確に定義するテクノロジーが不足しています。
◎ アン : 或いは、単にパズルが好きなのかも知れません。
★ アンダーソン博士 : 或いは、単にパズルが好きなのかも知れません……まさに。
◎ アン : つまり、BSTが可能かどうかは、本当に分からないですね?
★ アンダーソン博士 : それが可能であることは分かっていますが、それは非常に複雑で相互依存しているものと同じで、問題を解決する為に環境を修正したり変更したりする前に、問題を含む環境全体をきめ細かく理解する必要があります。
そして、これにはラビリンス・グループ内でまだ進化中の、光符号化現実マトリックス(LERM)の理解が必要です。
敢えて言えば、望ましくない影響を最小限に抑える方法で介入ポイントと時間の繋ぎ目を特定するのに十分な理解が得られるまでには、更に10年の実験が必要になる可能性があるでしょう。
◎ アン : それで私達は、神の影の議論に戻ります……つまり、貴方が愛情を込めて呼んでいる光符号化現実マトリックス(LERM)に。
光符号化現実マトリックス(LERM)の理解が、BSTを達成する為にそれほど基礎的なのは、何故ですか?
★ アンダーソン博士 : 何故なら、光符号化現実マトリックス(LERM)は意識にとっての遺伝学に相当し、意識は知覚を持つ存在にとっての現実形成に相当するからです。
従って、光符号化現実マトリックス(LERM)が理解されれば、空間、時間、エネルギー、物質の現実の枠組みを根本的に構築する、非時間、及び非空間で機能する因果システムが理解できることになります。
光符号化現実マトリックス(LERM)の構造体で動作する量子オブジェクトは、このテーブルや椅子のようなマクロオブジェクトとは全く異なる存在です。
量子物体(クウオンタム・オブジェクト)は、その真の状態では人間によって一度も見られたことがありません。
科学者は量子物体の効果と一部の特性を目撃しましたが、その因果関係は科学機器を通しては見ることができません……たとえ、どれほど強力であっても科学機器は物理的なものであり、従って空間と時間と関係があるからです。
一方、量子物体は、観察者を介する以外には時間や空間と何の関係もありません。
◎ アン : つまり、貴方は物質の構成要素、つまり、これらの量子物体は誰かが観察しない限り存在しないと言っているのですが……意識によってそれらが時間と空間に固定され、現実に見えるようになるのでしょうか?
それが、貴方の言っていることですか?
★ アンダーソン博士 : ある意味ではありますが、正確にはそうではありません。
こんな感じで、説明してみます。
意識は光符号化現実マトリックス(LERM)の基本的な構成要素であるエネルギーの形態として、非時間、及び非空間に由来する、またはそこから生じます。
意識は物理的になるに連れて、局地化されます。
言い換えれば、意識は人間、動物、植物、または物理的特徴を持つ何らかの物体になります。
ここまで、理解できていますか?
◎ アン : はい。
★ アンダーソン博士 : いいですね。
意識が局所的な物理的オブジェクトになると、基本的に意識がそうなったオブジェクトの遺伝的、または物理的特性にエンコードされた現実マトリックスに適合するように、光符号化現実マトリックス(LERM)を調整します。
言い換えれば、意識は非空間と非時間から移動して物質となり、その後、光符号化現実マトリックス(LERM)を調整して、それが形成された物理的オブジェクトのコード化された遺伝的特性と一致する物理的現実を生成します。
その対象が人間である場合、人間に特有の遺伝的トリガーが意識のツールとなり、そこからその現実を構築します。
光符号化現実マトリックス(LERM)は本質的に無限の可能性の領域、またはアリストテレスが言及したようにポテンシアです。
このポテンシアは、物理的なオブジェクトが作成される肥沃な土壌のようなものです。
意識を応用して光符号化現実マトリックス(LERM)を調整できる人は、現実に単に反応するのではなく、現実を明らかにすることができます。
繰り返しますが、量子対象は非時間、及び非空間から生じる為、この現象は瞬間的である可能性があります……。
◎ アン : ここで過度に宗教的にならないように、注意して下さい。
しかし、貴方が本当に話しているのは、イエスや他の預言者が行ったことです。
本質的には、水をワインに変えるとか、病人を治すといったことを明らかにしたのです。
そうですよね?
★ アンダーソン博士 : はい。
同じ原理ですが、私がそれを実行するのではなく、説明しただけです。
説明するよりも実行する方が、遥かに簡単です。
◎ アン : それでは、水をワインに変えることができると言うつもりですか?
★ アンダーソン博士 : 実際のところ、私はこれまでにそれを試したことはありませんが、ええ、ラビリンス・グループのメンバー全員が光符号化現実マトリックス(LERM)の外から、物理的なオブジェクトを顕現させることができます。
これは実際、フィフティーンの発見の成果の1つでした。
光符号化現実マトリックス(LERM)を調整し、オンデマンドで物理オブジェクトをマニフェストするプロセス。
◎ アン : オーケイ、貴方は間違いなく私の興味を持ってくれました。
でも、私はウイングメーカーとエンシェント・アロー・プロジェクトの話題に留まると誓ったので、少し罪悪感を感じています。
だから教えて下さい、何もないところから物事を実現する方法を、教えてもらえますか?
★ アンダーソン博士 : はい、でもそれには時間がかかります……恐らく数週間ほどでしょう。
◎ アン : どうやってやるかの例を、いくつか見せてもらえますか?
★ アンダーソン博士 : これは、どうですか?
◎ アン : 後でこれらの記録を読む人の為に。
アンダーソン博士は、どこからともなく麻紐のボールを出現させました。
彼はそれを、消滅させただけです。
そして、今、再び現れました。
これは、信じられないことです。
彼はそれを持っていないので、それはマジシャンが袖や手の後ろから何かを出現させるようなものではありません。
それは文字通り、彼の前約3フィート、私から約6フィート離れたテーブルの上に現れたり消えたりするのです。
全てが、はっきりと見えます。
私は糸のボールを拾っていますが、それは間違いなく物理的な物体です……単なる蜃気楼や……またはホログラムではありません。
それは、全ての通常の特性を備えています……重量……テクスチャ……僅(わず)かに触ると温かいですが、その他全ての点で、麻紐のボールの感触と全く同じです。
何か他のものを、出現させることはできますか……もっと複雑なもの、例えば現金100万ドルなど?
★ アンダーソン博士 : はい。
◎ アン : オーケイ、見てみましょう。
★ アンダーソン博士 : これが、これらの発見と能力の問題であることが分かります。
もし、私が、今、100万ドルの現金を生み出したら、貴方はジレンマに陥るでしょう。
100万ドルを、どうするか?
私がそれを出現させるのと同じくらい簡単に消滅させるのを見るのに、貴方は耐えられますか?
◎ アン : 頭がおかしいの?
初めて貴方に会った時から、私は今まで貴方の言うことを一度も信じていません。
そして、今でも貴方のことを完全に信じているとは言えませんが、私はそれにかなり近づいています。
私……いいえ、一般に人々は、目で物事を見る必要があります。
私達は、目が語ることを信じる必要があります。
何故なら、目はあらゆる感覚の中で、現実をしっかりと認識しているように見えるからです。
そして、終(つい)に、具体的なものを見せてくれましたね……私の目は、それに関係しています。
貴方の能力を、もう一度確認したいのです。
つまり、糸のボールなんて大したものではないようで……感動していない訳ではないのですが、しかし、100万ドルの現金を生み出すことができたとしたら……それは大変なことです。
★ アンダーソン博士 : それで、ジレンマは?
◎ アン : オーケイ、提案があります。
この話を世間に広めるには、少なくとも数か月間は仕事を辞める必要があるし、場合によっては多少なりとも移転するか、地下に移動することもあるでしょう。
もし、このままだったらどうなるでしょうか……今後2か月を乗り切るのに、10,000ドルを援助してもらえますか?
それは、貴方にとってうまくいくでしょうか?
★ アンダーソン博士 : はい、それはできます。
◎ アン : 私は、今、完璧なレプリカのように見える100ドル札の緩い山を見ています。
私はそれらに触れています……再び触ると僅(わず)かに暖かいように感じますが、これは間違いなく本物として通用します……おお……信じられない。
でも、これが100万ドルであるはずはありません、貴方は1万ドルしか提示しませんでしたね?
★ アンダーソン博士 : はい、数百ドル上げたり、もらったりしましょう。
◎ アン : 貴方はこの記録を読む人達に対して、自分自身の信頼性を損なっただけだと気づいています。
貴方は、自分自身を信じられない人にしただけです。
何(いず)れにしても誰も信じないでしょうし、むしろ、貴方を傷つける可能性があるので、これを含めるべきかさえ分かりません。
これは実際に、自分の目で見ないと信じられない体験です。
私は、何をすべきでしょうか?
★ アンダーソン博士 : アン、誰かが私を信じているかどうかは重要ではありません。
何(いず)れにせよ、経験しない限り誰も何も信じませんし、たとえ、経験したとしても、ほとんどの人は疑いに戻ります。
信じることは長くは続かず、常に疑問が残ります。
それは、当然のことです。
最も熱心な信者であっても、彼らが何を言おうと、ほとんどの場合は疑問を抱いています。
従って、これが私の信頼を損なうかどうかは、心配しないで下さい。
私は、気にしません。
私は誰かを説得しようとしている訳ではないので、それは問題ではありません。
私はウイングメーカーに関する情報を、何が真実で信頼できるのかを自分で判断できる人達にだけ伝えようとしているのです。
◎ アン : 分かりました……心配はこれくらいにして。
貴方の信頼性について心配するのは、これを最後にしましょう。
こんなに簡単にお金を手に入れることができるのなら、何故、給料をもらう必要があるのでしょう?
仕事で、お金を必要とする人が居るでしょうか?
★ アンダーソン博士 : この技術が発見された時、それはラビリンス・グループ内でのみ共有され、フィフティーンが承認した実験にのみ使用されました。
同じ原則が個人的な利益や、利益の為に使用される可能性のあるBSTやラビリンス・グループによって発見されたその他のテクノロジーにも、適用されます。
◎ アン : まあ、貴方方はとても規律正しいグループでしょうね。
私は、抵抗できなかったと思います。
★ アンダーソン博士 : 実を言うと、ラビリンス・グループのメンバー全員が自分の家のプライバシーの中で、このテクノロジーを、時々、実験したことがあるはずです。
◎ アン : 何故、それをテクノロジーと言うのですか?
それはメンタル的なものだと、私には思えます。
貴方は、マインド以外のものを使っていませんでしたね?
★ アンダーソン博士 : それは、精神的なプロセスを理解するという観点からのみのテクノロジーです。
それが意味するのであれば、電子的、または機械的なものでもありません。
しかし、それはマインドコントロール以上のものです。
それは実際には光符号化現実マトリックス(LERM)と、その間違いなく完璧な創造プロセス、つまり、量子オブジェクトを非空間、及び非時間から私達の時間と空間内の物質の世界に移動するという信念に対する信念です。
それはテクノロジーよりも、信仰に密接に関係しています……奇妙に聞こえるかも知れませんが。
◎ アン : 実際のところ、私は、イエスや地上を歩いた他の人々が何千年も前にこれらのことを行うことができたとしたら、それはテクノロジーとはあまり関係がないはずだと考えていました。
しかし、それが実際に起こっているのを自分の目で見ると、舞台裏で何らかのテクノロジーがそれを行っていると考える傾向があります。
それが人間の自然な力だけではないことを……何らかの理由でそれは、私には不可能に思えます。
★ アンダーソン博士 : 貴方を理解できますが、それでもこれは実際には視点の問題であり、光符号化現実マトリックス(LERM)についての視点を持ち、それが貴方の信念体系の基本的な構造になると、これを行うのは驚くほど簡単になります。
それはホログラムに基づいた高度な目の錯覚のようなもので、微妙に埋め込まれた絵を見るのに数ヶ月集中する必要がありますが、見た瞬間に努力することなく直ぐに一生見ることができます。
これが、そのように動作します。
数日で習得できる人もいれば、何百時間もかかる人も居ますが、全員に共通しているのは、一度習得すると呼吸するのと同じくらい自然になるということです。
◎ アン : 貴方の同僚の中には天才的なIQを持っている人も居て、テクニックを習得するのに何百時間もかかったのに、貴方はほんの数週間で私に教えられると思いますか?
★ アンダーソン博士 : それは、IQとは関係がありません。
それは、理解と信念に関係しています。
理解は光符号化現実マトリックス(LERM)の存在を見て、それが基本的なレベルでどのように機能するかを理解することから生まれます。
貴方が平均的な知性を持っているか、天才であるかは、貴方が理解し、理解したものを信じる限り、問題ではありません。
◎ アン : では、どうすれば、貴方は私に光符号化現実マトリックス(LERM)を信じさせることができるのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 貴方は既に、心の奥底でそうしています。
貴方のより深い信念と理解を拒否するのは、貴方の意識です。
ですから私は、貴方が自分という存在のより深いレベルで既に知っていることを、意識的に理解できるようにお手伝いしたいと思います。
そして、私は貴方に光符号化現実マトリックス(LERM)を見せることで、これを実現したいと思います。
◎ アン : どうやって、それをしますか?
★ アンダーソン博士 : バージニア州にある、ラビリンス・グループの研究施設に来ていただく必要があります。
ここは、光符号化現実マトリックス(LERM)の議論の余地のない証拠をお見せできる、世界で唯一の場所です。
◎ アン : 状況を考えると、それは決して起こらないシナリオのように思えます。
別の代替案が、あるはずです……または別の言い方をすると、私がどこにも得られなかったものをこの研究センターで見ることは何ですか?
それ以外の場合は……それとも、他の手段で?
★ アンダーソン博士 : この能力を獲得する唯一の方法が、光符号化現実マトリックス(LERM)の動作を見ることだと言っている訳ではありませんが、それは非常に説得力があります。
ラビリンス・グループには文字通り個人が光符号化現実マトリックス(LERM)を体験できるようにする、フィフティーン自身が設計したテクノロジーを持っています。
神秘的、またはシャーマニックな手段もありますが、これらは2週間以内に起こる可能性ははるかに低くなります。
これらの方法は状況とは独立しているように見えますが、個人が意識的に気づいていない、より深い、予定された、または事前にコード化された覚醒に依存しているように見えますが、それでも覚醒を引き起こし、それによって自分自身の理解を変えることになります。
場合によっては、この覚醒には物理的な物体を具現化する能力が含まれますが、一般に、それがどのように行われるかについて意識的な知識なしに行われます。
それは、ただ機能するのです。
◎ アン : それでは、私が神秘家やシャーマンに向いていないとしましょう。
このテクノロジーを使えば、貴方のしたことを実行できる私の能力を、私に確信させることができるでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 本当のところは、言えません。
これは言葉で表現したり説明したりするのに、全く不十分な経験の一つです。
私が言えることは、光符号化現実マトリックス(LERM)はこのテクノロジーを通じて経験され、本質的にその経験の結果として内部の電気システムを再配線するということだけです。
このプロセスでは神経系の新しい回路が切断され、これらの新しい回路により、光符号化現実マトリックス(LERM)の経験の結果として、光符号化現実マトリックス(LERM)を利用できるようになります。
この説明が、何かの役に立つとは思えません。
私はこれまで一度も説明しようとしたことがありませんでしたし、貴方の顔を見れば、私が惨めに失敗したことが分かります……。
◎ アン : いいえ、そんなことはありません。
ずっと違う惑星で生きて来たような気分に、いつもうんざりしているのです。
これら全てを逃してしまったということ……それを考えると本当に辛いんです。
私はアインシュタインについての伝記を、読んだ記憶があります。
彼は、人間は知的能力の約2%しか使っていないようなことを言っていたと、引用されていました。
まあそれが、今の私の気持ちです。
私はこれまで約2%のレベルで、人生を生きて来ましたが、もし、そうなら、彼の言った意味が漸(ようや)く分かり始めたところです。
これまで残りの98%がどのようなものであるかを、確認できる比較をしたことがありませんでした。
何が取り残されたり、見落とされたりするのかを見るのは、全く楽しいことではありません……或いは、過小評価されているのを。
★ アンダーソン博士 : 分かります。
◎ アン : 別の話に移ります。
貴方は、以前、光符号化現実マトリックス(LERM)やBSTなどの特定のテクノロジーは、ラビリンス・グループのメンバーによる個人的な利益の為に使用することを許可されていないと言いました。
しかし、BSTが存在するなら、誰もが列をなして使用を求めるのではないでしょうか?
そうすることは、分かっています。
私の人生には、できることなら変えたい出来事がたくさんあります。
猫が袋から出てしまったら、どうやってBSTを秘密にしておくことができるでしょうか?
★ アンダーソン博士 : あらゆるものと同様、考慮すべき影響や道徳的、倫理的な考慮事項があります。
フィフティーン、そして、より一般的にはラビリンス・グループが得意なことの1つは、社会秩序のより広い範囲でこれらの影響を考慮することです。
フィフティーンは幼い頃から、BSTと光符号化現実マトリックス(LERM)のテクノロジーは、テクノロジー自体によって引き起こされる倫理的配慮を適切に尊重する組織にのみ許可されると常に感じていました。
これはラビリンス・グループの基本憲章の1つであり、そのメンバー全員がこれを非常に真剣に受け止めています。
新しいテクノロジーが開発されると、そのテクノロジーの倫理的影響を懸念し、使用ガイドラインと導入ルールに責任を負うチームのメンバーが常に存在します。
これは、あらゆるプロジェクトの開発に不可欠な部分です。
◎ アン : それは嬉しいことですが、このような憲章を利用してしか、これらのテクノロジーがより広範な聴衆に拡散するのを防ぐこともできないでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 疑いの余地は、ありません。
BSTのようなテクノロジーは、一度、開発されテストされれば、やがて消費者向けテクノロジーになる可能性があります。
しかし、ラビリンス・グループが存在する限り、BSTはあらゆる外部勢力から保護されるでしょう。
ラビリンス・グループ内には技術移転プログラム、またはTTP委員会と呼ばれる委員会があります。
この委員会には、2つの使命があります。
1つはETから吸収された入って来るテクノロジーを評価すること、もう1つは、どのテクノロジーがどのような希釈状態で民間業界のパートナーであるNSA、または軍に移転されるかについて責任を負うことです……TTP委員会は、ラビリンス・グループによって開発された純粋状態技術を管理しています。
これらの純粋な状態のテクノロジーが、外部組織に譲渡されることは事実上ありません。
ラビリンス・グループの一員ではないACIOのスタッフメンバーでさえ、これらの純粋状態テクノロジーについては知りません……。
◎ アン : しかし、もし、私がこれらのインタビュー記録をインターネット上に公開したり、メディア出版物がこの話を取り上げたりすれば、ACIOのスタッフメンバー以上の人々がこのことについて知ることになるでしょう。
これはラビリンス・グループの秘密保持を、台無しにすることになるのではありませんか?
★ アンダーソン博士 : いいえ。
ラビリンス・グループは、単なる秘密組織ではありません。
実際には、ラビリンス・グループは存在しません。
ACIOも存在しません。
ラビリンス・グループはおろか、誰もACIOを追跡することはできません。
彼らのセキュリティ技術は非常に優れており、この点では完全に無敵です。
私が何を言っても、貴方が出版しても、彼らを更に脆弱(ぜいじゃく)(ぜいじゃく)にすることはありません。
前にも言ったように、彼らの唯一の懸念は、私の亡命の前例と、それが時間の経過と共に更に多くの亡命を生み出す可能性があるということです。
◎ アン : 何故、何故、誰かが去りたいと思うのでしょうか……貴方の言い分は分かります……貴方は、自分の記憶を変えたり削除されたくなかったのです。
でも、彼らは通常そんなことはしませんよね?
★ アンダーソン博士 : 頻繁(ひんぱん)ではありませんが、記憶移植セッションや、その他の形式の侵入的セキュリティ対策の対象となるのは、確かに私が初めてではありません。
それらは全て、ラビリンス・グループとACIOの文化の一部です。
それらの世界に足を踏み入れる人は誰でも、自分が何に更されなければならないかを理解しています。
パラノイアが文化の一部でなければならない理由は、非常に明白です。
しかし、時間が経つに連れて、特定の人はそれが息苦しいと感じるようになります。
そして、これらの人々は、私の亡命を自分達の理由と見做す危険性が最も高い人達です。
これについては、私が完全に間違っているかも知れませんが、何の影響もなく選択が与えられたら、ACIO、またはラビリンス・グループから離れる人が10~20人居ると思います。
◎ アン : しかし、貴方は、昨夜、これらの人々は他の利用可能なものよりも高度な技術や、研究室への特別なアクセスのおかげで自分の仕事に夢中になっていると、貴方が言ったと思いますが?
もし、そうだとしたら、彼らは通常の社会で何をしますか?
★ アンダーソン博士 : 私は、見つけ出すでしょう。
私は普通の人間として、普通の社会を初めて経験することになるでしょう。
◎ アン : そうですね、少なくとも仕事を見つけるのには、何の問題もありません。
何を言っているのですか。
働く必要すらありません。
何もないところからでも、自分でお金を稼ぐことができるのを忘れていました。
★ アンダーソン博士 : 私がかなりシンプルな生活を送っていることを知れば、驚かれるでしょう。
私は92フィートのホンダ・アコードを所有しており、質素な住宅が集まる郊外の、質素な3ベッドルームの家に住んでいます。
◎ アン : まさか?
★ アンダーソン博士 : ええ。
◎ アン : 貴方は年間40万ドルを無税で稼いでおり、頭の中に金のなる木を考えていて、私と同じように暮らしているのですか?
もし、よろしければ、貴方のお金を全て何に使っていますか?
★ アンダーソン博士 : 私には寄付している慈善団体があり、残りは一般に環境に関連する目的の為に、信託基金を設立する為に使用しています。
◎ アン : ラビリンス・グループのメンバーは、皆んな貴方と同じですか?
★ アンダーソン博士 : お金や財産のことを、言いたいのですか?
◎ アン : はい。
★ アンダーソン博士 : ほとんどの人は私よりも高い生活水準で暮らしていますが、質素に暮らすのは私達の文化の一部であり、メンバーの誰も見栄っ張りな生活を送っている人は一人も居ません。
フィフティーンが人々に見合った金額を支払うのは、人々にお金をバラ撒いて派手に暮らして欲しいからではなく、同僚が自分の選んだ慈善団体に寄付したり、地元コミュニティを助ける新しい慈善団体を設立したりできるようにしたいからです。
彼はこれを強く信じていて、彼自身も私以上に謙虚に生きています。
◎ アン : これは本当に、信じられないことです。
これまで貴方が私に話した、ほぼ全てのことを思い出していますが、これは最も信じられないことの一つです。
私はここで、完全に当惑しています……。
★ アンダーソン博士 : それはありがたいことですが、私が言っていることは真実です。
当初、ACIOへの新規人材の採用方法は、主に金銭的インセンティブによるものでした。
彼らは非常に聡明で有能な人材であり、学術界や民間企業で年間20万ドルを稼ぐポジションを、簡単に確保できるでしょう。
ACIOは給料を少なくとも2倍にし、終身雇用契約を提供することで彼らを誘惑しています。
しかし、最終的に第12レベルに入る権利を獲得した人は、ラビリンス・グループに組み込まれます。
個人がこの地位に上がるまでに、お金は益々重要ではなくなります……特に、コルテウム・インテリジェンス・アクセラレータの経験後……光符号化現実マトリックス(LERM)の経験後は、それは更に減少します。
恐らく、フィフティーンが、平均資産価値が約20万ドルである一般的なコミュニティの寝室が3つある小さな家に住んでいることは、興味深いと思われるでしょう。
それは東海岸の基準からすると、大した家ではありません。
彼の車は少なくとも100,000マイルは走行しているはずです、エアコンはありませんが、彼は自分の状況に完全に満足しています。
ACIOの新入社員は、フィフティーンの倹約ぶりにいつも驚かされます……当惑したという表現の方が適切だと思います。
しかし、時間が経つに連れて、彼らは彼を変人としてではなく、単に他の人と同じように生きて溶け込むことを好む、非常に献身的な天才として尊敬することを学びます。
◎ アン : オーケイ……ここで個人的なことを話さなきゃいけないんですけど、自分の予定を完全に裏切ってしまったことは分かっているのですが、いくつか話して欲しいことがあるのです……例えば、近所の人達は、貴方が何をしているかと思っているのか、とか。
★ アンダーソン博士 : 私は、近所の人のことをよく知りません。
私は18歳の時から、週に80時間働いて来ました。
私が社交する時は、大抵同僚と一緒です。
他の人間関係を築く時間は、ほとんどありません。
しかし、貴方の質問に直接答えると、彼らが私をどう思っているのかは分かりません……私は彼らに、自分が政府の研究者であることだけを伝えました。
ほとんどの人にとって、好奇心はそれで解決します。
◎ アン : でも、もし、貴方が女性に出会って恋に落ちたらどうするでしょう。
彼女は貴方が何をしたのか、どれだけ稼いだのかなどを知りたがるでしょう。
貴方は彼女に、何と言いますか?
★ アンダーソン博士 : 私は、NSAで働いています。
言語学と解読に携わる研究者で、年収は85,000ドルです。
◎ アン : つまり、嘘をつくのですか?
★ アンダーソン博士 : これは、ラビリンス・グループの文化の一部です。
私達は、真実を語ることはできません。
もし、真実を語ったら、大多数の人が私達が頭がおかしいと思うでしょう。
それが、私達が自分の意見を貫き続ける理由でもあります。
私達は自分自身の間で、真実を話すことができます。
◎ アン : ACIOとその秘密任務について、そして、貴方が亡命して命の危険を感じていることを初めて聞いた時……私は、ACIOは邪悪な考えを持ち、世界を支配するタイプの組織だと思いました。
その後、皆さんがどのような収入を得ているのかを聞き、貴方達は大金を稼いでいるのに、防弾仕様のメルセデス・ベンツを運転し、豪華な邸宅に住んでいる知的な俗物集団を想像したのに、貴方は私のイメージを打ち砕いたのです。
貴方はそれを、完全に破壊しました。
それで何故、そんなに怖いのですか?
★ アンダーソン博士 : ラビリンス・グループは、ACIOとの繋がりにより、世界の通貨資産と天然資源資産の多くを管理する組織の、秘密ネットワークと今でも深く結びついています。
私が皆さんに提供したこれらの資料が、報道やインターネットで目に見えるようになった瞬間に、この組織のネットワークは私の亡命を知ることになるでしょう。
この2つのインタビューを読むだけで、その真実性が分かるでしょう。
ACIOやラビリンス・グループに対して彼らができることは何もありませんが、彼らは私の人生を生きにくくする可能性はあります。
そして、彼らは間違いなく挑戦するでしょう。
私は、彼らのテクノロジーとそれをどのように展開するのかを、全て知っています。
私はこれらの組織の背後に居る人々を知っており、それらがどのように運営されているかを知っています。
私には、ほんの一部しか紹介していない知識があります。
そして、この知識は特定の個人、つまり、非常に強力な個人を非常に不快にさせるでしょう。
これは非常に稀(まれ)ですが、高レベルの工作員が亡命すると、発見されて処分されるまで犬のように追われるか、継続的な目的を果たしている場合は、記憶が選択的に消去されます。
これは、これらの組織との取引における残念な現実の1つです。
◎ アン : しかし、貴方はただの科学者です……言語学者です。
それがどうして、貴方をこれらの秘密組織にとって脅威と見做すのですか?
★ アンダーソン博士 : 私は、世界の証券取引所向けの予測モデリング・ソフトウェアをオーバーレイするセキュリティ・システムの基礎となる、暗号化技術を開発した人物です。
皆さんの目には私はただの科学者かも知れませんが、私の才能は言語学の才能だけではありません。
私は暗号化の分野でも、才能があります。
そして、経済学の世界では、私はまさに最高です。
そして、この才能は特定の組織を支援する為に与えられ、その過程で私は、これらの組織とその運営方法について学びました。
それは私に、安全上のリスクを齎(もたら)します。
◎ アン : 何故ですか?
つまり、ACIOとラビリンス・グループがそんなにお金を持っているのであれば、何故、これらの邪悪なグループと協力するのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 第一に、彼らは悪ではありません。
これらの組織は、恐らく自己陶酔的な高学歴のエリート主義者で構成されていますが、悪ではありません。
彼らは世界を強い者が生き残り、強い者が繁栄し、秘密裏に管理される生物学的な経験として見ています。
彼らは、経験をコントロールすることを好みます。
彼らは究極のコントロール・フリークですが、それは崇拝やエゴ満足の為ではなく、世界の経済と安全保障に影響を与える政策決定を下すのに、自分達が最も優れていると心から信じているからです。
だから、コントロールと悪意を混同しないで下さい。
それは必ずしも、同じものではありません。
それが、彼らがプレイすることを選択したゲームです。
彼らが信じられないほどのお金を稼ぐという事実は単にゲームの一部ですが、それが彼らが世界経済の運転席に座っている理由ではありません……彼らは他の人達と同じように、ただ自分の人生の課題を守りたいだけなのです。
ただ彼らは、それを実際に実行できる立場にあるだけです。
彼らは経済的な食物連鎖の頂点に居ることで、安全を得ているのです。
◎ アン : しかし、彼らは人々を操作し、人々から情報を遮断しています。
これが悪でないとしたら、何が悪なのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 貴方の定義によれば、私達の政府、地方自治体、事実上全ての企業や組織は悪です。
誰もが情報を操作し、隠蔽(いんぺい)しています。
政府、組織、そして、個人です。
◎ アン : 私の言葉を、曲解していますね。
程度問題ですよね?
つまり、私が本当の髪の色を教えないのと、この秘密ネットワークの一環として私が世界経済をどのように操作しているかについて情報を差し控えるのとでは、また別の話です。
スケールが、全く違います。
比較することは、できません。
組織が自分達の利益の為に物事を操作したりコントロールしたりするのは、悪だと、今でも思っています。
★ アンダーソン博士 : 信じて下さい、私はこれらの組織の擁護者になろうとした訳ではありませんが、これは重要であり、今後数日間、貴方に影響を与える可能性がある為、貴方はこれを理解する必要があります。
この強力な組織の秘密ネットワークは、私達の世界の政府、特に軍事指導者よりも、ラビリンス・グループの目標と一致しています。
何か、心配するのであれば、政府、議会、国防総省についてもっと心配することをお勧めします……米国だけでなく、全ての国で。
◎ アン : どうして、そんなことが言えるのですか?
私達の政府と軍の指導者達が、私達に危害を加えようとしていて、これらの秘密の操作組織が私達を助けようとしていると言うのですか?
★ アンダーソン博士 : 私が言いたいのは、世界の国家共同体における指導者層は無能であり、聖なるドルで買えるということです。
そして、それは核兵器や生物兵器のような破壊力に巨額の資金を投資するように、私達の政府と軍の指導部を操作しているのは、私が話して来た秘密ネットワークではないということです。
これは、彼らが自分達で決めていることです。
私が指摘している秘密組織は、経済的、及び社会的秩序を制御する為のモデルにある程度の不確実性を介入させる為、これらの軍備増強に反対しています。
大量破壊兵器に、時間、エネルギー、資金を投資しているのは政治家や軍の指導者達であり、悪というものがあるとすれば、彼らこそがそれなのです。
◎ アン : 分かりました。
貴方の言いたいことは、分かりました。
しかし、貴方は、もし、私達がこれら全てを出版し配布したら、これらの秘密組織が私達を殺そうとするだろうと仄(ほの)めかしましたか?
私には、それが何故、彼らをそこまで崇高なものにするのか、まだ分かりません。
★ アンダーソン博士 : これらの秘密組織について心配する必要はないと思います。
彼らにとって危険になるには、十分な知識がありません。
それに、彼らはジャーナリストが周囲を覗き見して、暴露しようとすることに慣れています。
意味のある形で成功した人は、誰も居ません。
彼らについては、何十冊もの本が書かれています。
だから、彼らは貴方を悩ませることはありません。
彼らの関心は私と、私だけに向けられるでしょう。
それが、私が貴方に伝える言葉に注意している理由の1つです。
NSA、CIA、ACIO、そして、ラビリンス・グループ全体が同様に、彼らがこれらの記録を読むだろうと私は知っています。
私がこれらの会話を録音することを許可しているのは、これらの正確な言葉を誰が聞くか知っているからであり、私が貴方と共有したこと、そして、貴方を通じて他の人達に伝えたことを正確に知ってもらいたいからです。
私は、これらの秘密組織が崇高であるかどうかについて、価値判断をしている訳ではありません。
私は彼らが、大量破壊兵器に巨額の資金と知的資本を浪費している組織ではないことを指摘しているだけです。
彼らは我が国の政治家や軍事指導者よりも、遥かに統治能力が高いです。
これは単なる、私の意見です。
◎ アン : 私には、まだ理解できません。
ラビリンス・グループ、ACIO、そして、この秘密組織のネットワークが全てそれほど高貴で慈悲深いものであるなら、何故、貴方は自分の命を恐れるのですか?
そして、何故、彼らはゴキブリのように、公衆から隠れているのですか?
★ アンダーソン博士 : 貴方の最初の質問に答えると、私は様々な秘密組織に取り返しのつかない損害を与える可能性のある情報を知っているので、命の危険を感じています。
そうするつもりは、ありませんが。
◎ アン : しかし、貴方がこれらのことを知っているという理由だけで、彼らは貴方を追い詰めて殺しますか?
私には、良いグループのように聞こえます。
確かに、邪悪ではありません……。
★ アンダーソン博士 : 思い出し下さい、彼らはコントロール・フリークなのです。
彼らは自分達に危害を加える可能性のある人を、野放しにすることを好みません。
望めば、彼らを倒すこともできるのです。
私は彼らのコンピュータ・アルゴリズムと暗号化技術について、それほど知っているのです。
◎ アン : しかし、どうやって彼らのシステムにアクセスするのでしょうか。
彼らのシステムに侵入しようとすると、大きな危険に曝(さら)されることになると思います。
★ アンダーソン博士 : 彼らに危害を加える為に、彼らのシステムに入る必要はありません。
危害を防ぐ為に、彼らのシステムに入る必要があります。
彼らは私を、彼らのシステムに招待するでしょう。
◎ アン : 理解できないわ……。
★ アンダーソン博士 : 私が最初にシステムを開発した時、特定の時間に実行されるようにスクリプト化された特定の時間遅延アルゴリズムがあり、それらが適切に保守されていない場合、プログラムは本質的に自己破壊されてしまいます。
これらの組織には、起こることは許されないことです。
◎ アン : 何故、彼らはこれに同意したのですか?
★ アンダーソン博士 : これはラビリンス・グループが、顧客から徴収する料金の一部です。
更に重要なのは、当社のテクノロジーが、たとえ、希薄化した状態であっても当社の合意に従って運用され、悪用されないことをが保証されます。
私はこのシステムのアクセス・コードと、クラッシュを防ぐ為のメンテナンス・キーを持っています。
この知識を持っているのは、私だけだと確信しています。
◎ アン : ラビリンス・グループには思い出の写真がたくさんあるのに、暗号を知っているのは貴方だけだとでも言うんですか?
★ アンダーソン博士 : 彼らのシステムを最後に更新した時、私は正しい番号を正確に報告しませんでした。
ですから、そうです、正しいコードを知っているのは私だけです。
私の安全を確保する為に、そのように設計しました……。
◎ アン : しかし、ラビリンス・グループには天才達が集まっているのに、彼らだけではこの問題を解決できないとでも言うのですか?
★ アンダーソン博士 : かなりの時間が、必要でしょう。
それは、フィフティーンが同意しないことです。
それはあまりにも無駄であり、BSTの研究にとって大きな妨げとなります。
◎ アン : 彼らはこのことについて、既に知っていますか?
★ アンダーソン博士 : ええ、そうです。
亡命して直ぐに、知らせました。
◎ アン : 彼らは、怒っていたに違いないわ。
★ アンダーソン博士 : 控えめに言っても、楽しい会話ではありませんでした。
◎ アン : ラビリンス・グループが持つこの高度なテクノロジーについて考えていたのですが、何か理解できません。
どうやって、製造しているのですか?
インテルは、製造を行っていないと思います。
そうですか?
★ アンダーソン博士 : そうです。
この地球上にこれらのテクノロジーを製造できる人は、誰も居ません。
これらは全て、地球上で最高のコンピューター・テクノロジーよりも約150世代先の、コルテウム・テクノロジーに基づいています。
例えば、光符号化現実マトリックス(LERM)プロジェクトでは、合計約200の異なる技術のうち1つの国内技術のみが使用されており、それはプロジェクトの比較的重要ではない部分でした……。
◎ アン : それは、何だったのですか?
★ アンダーソン博士 : これはACIOが約20年前に開発したレーザー・テレメトリ技術の派生品ですが、実験の特定部分での応用に必要なアナログ・プロトコルに基づいていた為、光符号化現実マトリックス(LERM)プロジェクトの特定のニーズを満たしていました。
◎ アン : つまり、ラビリンス・グループが設計したものの製造は全て、コルテウムが行っているのですね。
コルテウムが何らかの理由で、これらのテクノロジーを突然共有しないと決めたらどうなるでしょうか?
ラビリンス・グループは、存在しなくなるのではないでしょうか?
★ アンダーソン博士 : 恐らく。
しかし、フィフティーンは抜け目なく、そのようなことが決して起こらないように特定の緊急事態を設定してくれています。
心に留めておいて下さい、コルテウムは少なくとも私達と同じくらい、恐らくそれ以上にこのテクノロジーの開発に意欲を持っています。
彼らはフィフティーンやラビリンス・グループの他の人間部隊に対して、多大な敬意を払っています。
しかし、ラビリンス・グループが最初に結成された時、フィフティーンはBST研究から生まれたプロジェクトの全てのソースコードを共有するよう、コルテウムと交渉しました。
全ての基本テクノロジーは、2つの別々の研究ラボで複製されました。
電源に至るまで、完全な冗長性があります。
◎ アン : これらの秘密組織の指導者達は、遠隔監視技術を使って貴方を見つけるように、フィフティーンに圧力をかけようとしないでしょうか?
彼らは貴方を、簡単に見つけることができないのでしょうか?
★ アンダーソン博士 : これらの秘密組織のリーダー達は、自分達がフィフティーンに対して影響力がないことをよく知っています。
この情報を読めば、自分達の影響力が更に低いことが分かるでしょう。
フィフティーンとラビリンス・グループは、全てのセキュリティ・システムを設計、開発しました。
最後の1つまで。
彼らは、彼らを……比喩的に言えば……見えなくする特定のテクノロジーのおかげで、ラビリンス・グループに恩義があることを知っていました。
フィフティーンに圧力をかけることは、できません。
実際、それは全く逆で、フィフティーンには圧力をかけることができます……彼は決してそんなことはしなかったとしても。
フィフティーンにとってこれらの組織は単に、私達の政府に世界のインフラの経済原動力と社会秩序を制御させる為の、最良の代替案を表しているに過ぎません。
従って、彼は彼らに同情し、時間とエネルギーを許す限り彼らを助けようと努めています。
◎ アン : それで、どうやって彼らから隠れますか?
★ アンダーソン博士 : 私はこの亡命のプロセスを、ほぼ1年前に始めました。
前にもお話ししたように、私は首の後ろの皮膚の下に埋め込まれた電子センサーを含むACIOの侵襲的な安全対策から、体系的に自分自身を解き放ち始めました。
合理的な解決策が交渉されるまで、地下に留まるチャンスを得る為に、これらの装置を自分から外したのです。
◎ アン : 警察やFBIは、何もできないと思いますか?
★ アンダーソン博士 : 私が興味のあることは、何もありません。
◎ アン : でも、自分を守る為には、どうするの?
★ アンダーソン博士 : ご想像の通り、アン、インタビューの性質上、お伝えできない情報があります。
これは、私が既に知っている以上のことはお伝えできない、一例です。
◎ アン : まだ質問があるので、もっと長く居てもいいですか?
★ アンダーソン博士 : 今夜は、好きなだけ居てもいいですよ。
◎ アン : 分かりました、それほど長くはかからないと思います。
もう一度、ウイングメーカーズに戻りたいと思っています。
因(ちな)みに、私は普段はそんなにバラバラではありません。
ただ、貴方が私を一度に百の方向に進ませるようなことを言っているので、私は集中力を保つことができません。
ごめんなさい……とにかく、ウイングメーカーとの貴方の経験について、もっと教えて下さい。
貴方は以前、彼らと面会したことがあると言っていましたが……そうですよね?
★ アンダーソン博士 : はい。
◎ アン : それで、彼らはどんな様子で、貴方に何を言ったのですか?
★ アンダーソン博士 : そうですね、彼らを説明するのに最適な方法は、それらが明晰夢のようだったことだと思います。
初めて彼らと実際に対話した時、私は研究室で昼寝をしていましたが、誰かが私の肩を叩いたように突然目が覚め、振り向いたら誰も居なかったということです。
私はそれを夢と思って無視し、また昼寝に戻りました。
次に思い出したのは、目が覚めて、人間ほどの大きさで、全体的に人体のような外観をした2つの発光する物体を見たことです……とはいえ、私が直接見るには明る過ぎました……だから最初は、彼らの外見についてはよく分かりませんでした。
光にはリズミカルなパルスのような性質があり、このパルスが私自身の意識を取り込んでいるように見えました。
それはまるで……非常に強力でありながら、同時に同じくらい優しい何かを感じているような……ダイポール効果は非常に珍しいものでした……私はこれらの物体に対して感情的には恐れていませんでしたが、精神的には自分の信頼とは相反するものを感じ、恰(あたか)も恐怖を感じなければならないかのように感じました。
恐らく10秒ほどの間は、この経験を半ば意識的に保っていたに違いありませんが、その後、私の心がこれらの存在の心とリンクしているのを感じました。
彼らは自分達はウイングメーカーであり、私を助ける為に、私がやって来たと言いました。
彼らはタイム・カプセルが良い人の手に渡ったと感じた為、暗号化されたメッセージのロックを解除することだけに興味がありました。
彼らがメッセージを暗号化したのには、次の2つの理由があります。
1つはタイム・カプセルとその内容物の安全を確保する為、もう1つはタイム・カプセルを発見した者が、自分達の目的ではなくウイングメーカーの目的に適(かな)うようにする為です。
◎ アン : ということは、彼らはラビリンス・グループが、自らの政策を適用するつもりはないと感じていたということですか?
もし、そうなら、私はこれらのウイングメーカー達は、ラビリンス・グループについてあまり洞察を持っていないと思います。
★ アンダーソン博士 : 一つの小さな問題を除いて。
ウイングメーカーズは……僅(わず)か750年後の、ラビリンス・グループだということです。
◎ アン : 冗談ですよね。
どうしてそうなるの?
★ アンダーソン博士 : それは私が、当時、言ったこととほぼ同じで、ただそれはより驚きを持って表現されたものでした。
私達はその可能性を、初期の仮説の一つとして検討していましたが、象徴的な表現以外の証拠や証拠がなかった為、それほど真剣に受け止められることはありませんでした。
とにかく、それが本質的に、彼らが最初の意識的なやりとりで、私に伝えたかったことだったのです。
彼らは何らかの理由で私を連絡役に選んで、私がタイム・カプセルの内容をパブリック・ドメインに公開するのを手伝うことを意図していました。
それが、彼らの指導の本質でした。
そうする時……。
◎ アン : 彼らがどうやってラビリンス・グループを代表することができるのか、私にはまだ理解できません。
もし、彼らがBSTを持っているなら、何故、前に言ったようにそれを渡さないのですか?
彼らは、何を懸念しているのですか?
★ アンダーソン博士 : BSTに関するほとんどのことと同様、BSTの性質を理解する前に、物事がどのように機能するかについての従来の原則を全て捨てなければなりません。
ウイングメーカーズは、人類の全く新しい進化の結果です。
彼らは、時間に制限されていません。
彼らは物理的な自己と非物理的な自己を分離することができ、後者の状態では、垂直時間を越えて移動し、それと対話することができます。
それがまさに、フィフティーンが念頭に置いているBSTの形式であるかどうかは分かりません……空間ではなく、異なる期間を除いて、バイロケーションに似ているようです。
外国の時間に居る間、彼らは自分の肉体を再物質化し、希望に応じて物理的環境と対話することができます。
エンシェント・アロー・サイトの場合のように、彼らはオブジェクトを持ち込んで、それらのオブジェクトを異国の時間に転送することもできます。
しかし、BST、またはそのあらゆる側面を個人、組織、政府に提供するには、先ず彼らを完全に理解し、その理解を通じて彼らを信頼する必要があります。
それには、時間と観察経験が必要です。
テストも、必要です。
そして、それが、ウイングメーカーズがタイム・カプセルで行っていることだと思います。
彼らは、彼の真の意図が何であるかを知る為に、ラビリンス・グループ、特にフィフティーンをテストしています。
◎ アン : 縺(もつ)れれた質問のように聞こえることは承知していますが、ウイングメーカーズは、私達より750年先を行っています。
そうですよね?
★ アンダーソン博士 : はい。
◎ アン : そして、彼らは未来において、ラビリンス・グループの代表者となるのです。
ね?
★ アンダーソン博士 : はい、そうです。
◎ アン : それに、彼らは、ラビリンス・グループの現在のメンバーやリーダーシップを信頼していません。
そうですよね?
★ アンダーソン博士 : どうやら、技術を引き渡すだけでは不十分のようです。
◎ アン : だからこそ、彼らはBSTに関する知識を7つのタイム・カプセルの中に入れ、岩層の中や下、その他の場所に埋め込んだのです。
しかし、私はACIOのメモの1つを読んだか……もしかしたら、貴方が私に言ったかも知れません……最後のタイム・カプセルは2023年まで発見されないという。
そして、それはこの敵対的な異星勢力による、買収入札後のことです。
それは、意味がありません。
★ アンダーソン博士 : 貴方の質問の趣旨は、理解しています。
残念ながらこれまでのところ、私とウイングメーカーズとのやり取りは別の話題でした。
恐らく、2018年の選挙と敵対的買収に関する限り、彼らの計画については後ほど詳しく知ることになるでしょう。
これまで私が彼らと交流したのは3回だけですが、3回とも短い出会いで、ほとんどが一方通行のコミュニケーションでした……彼らは、私にメッセージを伝えて来ました。
◎ アン : このセッションを、終わらせる必要があると感じています。
私の心は、文字通り満杯です。
もし、貴方が、今、何か深いことを私に話したとしても、それは片方の耳からもう一方の耳へ入ってしまうだけだと思います。
水曜日にもう一度お会いして、ウイングメーカーズとのセッションについて、お話を伺うことはできますか?
★ アンダーソン博士 : はい、スケジュール的には大丈夫です。
◎ アン : オーケイ。
今夜は、これで終わりです。
セッションの終了
Topに戻る
Comments on 'ACIO(Advanced Contact Intelligence Organization)のアンダーソン博士についてのメモ : アンダーソン博士のインタビュー(2)' (0)
コメントフィード
Comments are closed.